2006年05月11日

内定辞退の方法

ゴールデンウィーク中に頂いたご相談の中で、最も多かったのが「内定辞退」についてです。

07年4月入社の新卒採用において、大手企業はこのゴールデンウィーク前後に続々と内定を出しています。

そんな中、
「内定が出たあと、他にもっと行きたい企業がみつかったけど、どうすればいいですか?」
「内定が出て内定承諾書にサインした場合、他の企業にいくことはできないのか?」
「内定辞退をしたら損害賠償請求されるという噂は本当か?」

このようなご相談を多数頂きます。

確かに内定が出るのはうれしいのですが、それを受けるかどうかは、就職活動の一つの山場といえますね。第一志望以外の内定については、悩むと思います。

会社側の考え方をご説明し、きちんと辞退する心構えをお話ししましょう。

@ 内定辞退は可能か?

可能です。
企業が内定を出して、応募者が内定承諾書を提出したり、口頭で承諾した後も、辞退することはできます。

(※内定を出した直後で承諾する前であれば、内定を辞退するのはよくあることですし、すぐに断れば何の問題もありません。企業側も驚くことはありません)

まず、会社はある程度、内定辞退を覚悟して、採用計画を立てています

内定辞退をしたところで、「その学生を訴える」などといった物騒なことは、まず起きません。会社としても「あの会社は内定辞退者を訴えた」などと噂が流れれば、翌年以降、応募者が減ったり、選考途中で辞退する人が増えることは簡単に想像できますよね。訴えると会社も損します。

基本的に、内定辞退は応募者の自由です。

入社承諾書など、書面で契約があったとしても、それよりも職業選択の自由は優先します。個人的にも、自分のキャリア、人生を真剣に考えた上での決断であれば、内定辞退もしかたないと思います。

だからといって、「基本的な権利だ」というように、内定辞退を当然だと主張する方もいますが、それはおすすめしません。

「権利」ではなく「マナー」の問題として考えれば、マナー違反なのは事実です。

そこをわかった上で、あくまで「マナーとしてはよくないけれど、真剣に考えた結果なので、許してほしい」というスタンスで辞退を申し出るべきです。

一方会社側も、想定していたとはいえ、内定辞退はなかなか嫌なものです。

A なぜ、会社は内定辞退を想定しているのに、内定辞退を嫌がるのか?

理由は3つあります。
会社側の事情を考えて、心構えをした上で辞退の理由を説明する必要があります。


1つ目は、みなさんおわかりだと思いますが、感情的な理由です。

会社が内定を出すということは、「その人を会社のメンバーに迎え入れる」という重要な意思決定をしたわけです。その意思決定のために、人事部門中心に多大なエネルギーを使っています。
それが報われないのですから、やりきれない思いはあるでしょう。

また担当者自身、その応募者を見込んだ・惚れ込んだ、という思いもあるでしょう。さらにその人に代わる人を採用しなければいけない苦労を思うと、なかなか冷静には受け入れられません。

したがって、内定辞退を申し入れる応募者は、その感情に配慮しながら、深くお詫びするという姿勢で辞退を伝えるべきです。


2つ目の理由は、採用担当者の社内評価の問題です。

採用担当者は、会社の基準を満たす優れた学生を、計画した人数採用する、という責任を持っています。

内定辞退者が増えると、採用人数が足りなくなることがあります。あるいは、本来内定を出したくない学生、つまり評価基準を下回る学生を採用しなければいけない事態も起きます。

新入社員の質が下がること、そして期待した人数採用できないこと、これらはもちろん採用担当の失態として、彼らの社内での評価を下げることになります

具体的には内定辞退が増えると、「担当者が学生に会社の魅力をしっかり伝えきれていない」「内定を辞退してはいけないというモラルを厳しく伝えていない」と判断され、その責任を問われ、評価に影響を及ぼす事態になります。
したがって、採用担当者にとって内定辞退は、自分の将来のためにも簡単に処理できない問題と言えます。


3つ目、最後の理由は、「評判」です。

「あそこの内定辞退は簡単だ」という噂は、今やネット経由ですぐに広まります。会社はそのような噂をされるのを極端に嫌います

その噂によって「あの会社は断りやすいから、とりあえず内定だけもらっておこう」と判断する学生が増えるでしょう。
すると、内定者と実際に入社する学生とのギャップが大きくなり、採用計画が立てられなくなる(つまり、何人に内定を出せば、何人が実際に入社するのかわからない)という問題を抱えることになります。

つまり、「ナメられないようにしたい」と会社は常に思っているわけです。

そのため、内定辞退をした学生をかなり厳しく怒ったり、問い詰めたり、極端な例ではコップの水を学生にかけたり、といったことまで企業によっては起こります。

もちろん、そのような厳しい対応が行き過ぎると、逆に今後の採用がしづらくなるのは冒頭にご説明した通りです。

会社側は、厳しくしすぎると学生がおびえて選考辞退が増えるし、優しくしすぎるとなめられて真剣ではない内定承諾が増えてしまう、というジレンマのなかにいます

そういう事情を考えて、内定を辞退する場合は誠実に、理由もはっきりと伝えましょう。


B 伝える方法

手段は、電話がよいでしょう。(礼儀としては訪問するのがベストですし、実際に「会いに来い」という会社もあります。ただ普通は、訪問して忙しい採用担当者の時間を空けてもらうこともよくないと思います。)

メールをした上で、電話をするという方法も可能だと思います。しかし、ご説明したように感情的な要因も絡みますので、メールだけで済ませるのは、ビジネスマナーとして正しくありません。

会社によっては、内定辞退によって、採用計画が狂うわけですから、もし採用人数が足りない場合は、一日も早く別の人を採用しなければいけないわけです。だから内定辞退は緊急性のあるテーマです。
会社がすぐに欠員補充する活動をはじめるためにも、急いで電話で伝えるほうがよいでしょう。

いずれにせよ、必ず肉声できちんとつたえましょう

電話だけであれば、本人の確認ができない(なりすましもあり得る)ので、後で辞退の書類を提出するよう求めるケースもあります。その場合は従ってください。

会社があまりにひどい対応をする場合は、遠慮なくご相談ください。会社は学生になにをしてもいいというわけではなく、誠実に説明する学生には誠実に対応すべきです。会社が理不尽な対応をしてきたら、その時は色々と対策を考える必要があります。

では、皆さんがんばってください。

具体的な内定辞退の伝え方は、次の記事を参考にして下さい。

<内定自体の方法 A 〜どう伝えるか>
posted by career2.0 at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 就職活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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