2007年08月14日

役員の肩書きについて

たいへんご無沙汰しておりました。今日は会社の役職について、整理します。

時々、取締役と執行役員と専務は誰が一番偉いのですか?」というような質問を頂きます。いずれも「役員」と呼ばれる人たちの肩書きですが、どういう序列なのか、わかりませんよね。

たしかに色々な役員の肩書きがあり、それも会社ごとに微妙に違います。特に就職活動中の学生さんにとっては、すっきり理解するのは難しいでしょう。そこで、会社の役員の役職・肩書きについて、もう一度整理したいと思います。

役員の役職名は、原則的には、「役職×肩書き」の組み合わせになっています。

【1.法律で定めなければいけない会社の役職】
 ・代表取締役
 ・取締役
 ・監査役
【2.会社で自由に決めてよい肩書き】
会長、社長、副社長、専務、常務、相談役、名誉会長、顧問、、、

実際は、「1+2」つまり「1で決められた役職者に、2の肩書きを追加する」のが、通常の組み合わせです。

例えば、
「代表取締役社長」
「取締役副社長」
「専務取締役」
という役職は、上記の1と2の組み合わせですね。

もうすこし詳しく説明します。


1.法律に従ってつけられる役職

まず、株式会社には、法律に従って、必ず置かなければいけない役職があります。
それが、「取締役」です。この人たちが世間で「役員」と呼ばれる人たちです。

世間で「あの人は○○社の役員だ」と言われている人は、たいてい「取締役」です。(例外もあります。後で説明します)

会社の経営についての大事な意思決定は、取締役の集まる「取締役会」で行います。

取締役の中で一番偉い、会社の代表として責任を負っている人を、「代表取締役」と言います。
代表取締役は1人でなくてもかまいません。2人以上いる会社もあります。

基本的に、会社の「役員」と呼ばれて、会社の「経営陣」とされるのは、「代表取締役」と「取締役」の2種類の人々です。

また、役員の仕事ぶりをチェックする人を「監査役」と言います。
そういう意味では重要な仕事ですが、率直に言って経営の中心、権力を持つ人ではないケースがほとんどです。

「代表取締役」「取締役」「監査役」。
法律では、この3種類の役職については、決めるよう規定されています。
残りの様々な名称は、実は会社が勝手に名づけているだけの肩書きなのです。


2.会社で決める肩書き

社長、副社長、専務、、、、色々な役職がありますね。
それらは、ふつう「取締役」の序列をつけるため、役員の役職に加えて、会社が自由に決めている肩書きです。

だから、つけなくてもいいのです。「社長」のいない会社もあってかまいません。単なる「代表取締役」や「取締役」の人もいます。

一方で、「代表取締役社長」や「常務取締役」といった肩書きがついている人もいます。
(逆に、取締役ではない「社長」「専務」という人も、いていいのです。滅多にいませんが)

大きな会社では、役員の数も多いので、役員の中での役割分担と序列づけのために、肩書きをつけていきます。

以下に、一般的な序列と内容を説明します。繰り返しますが、会社が勝手につける役職なので、以下のような使用方法とは全く違う会社もあります。あくまでよくあるパターンということで、偉い順に書きます。

「会長」
「代表取締役会長」と「取締役会長」の場合がある。
通常、社長を終えて会長になるケースが多い。強い権限を持っている場合と、実際はほとんど社長に任せている場合がある。

「社長」
会社の代表で責任者。だから「代表取締役社長」である場合がほとんど。ただ、たまに「取締役社長」という人もいます。事情により法律上の代表権を与えられていないということです。

「副社長」
社長の次。「取締役副社長」がほとんど。
ときどき「代表取締役副社長」として、「代表取締役社長」と並んで共同で代表をしているケースもあります。

「専務」
副社長の次。副社長がおらず、社長の次の序列で専務がいる会社も多い。たいてい「専務取締役」となっている。

「常務」
専務の次。たいてい「常務取締役」となっている。

以上が、通常の役員についている肩書きです。

そして、肩書きがついていない、単なる「取締役」を「ヒラ取(ひらとり)」と呼びます。これは取締役の世界でのヒラという俗語なのでもちろん面と向かって言ってはいけません。

また、銀行は一般に、社長にあたる肩書きを「頭取」、副社長を「副頭取」と呼びます。

番外:ご隠居

あと、社長や会長が経営の第一線を退いても、取締役でいる場合が多々あります。

その場合、「名誉会長」「相談役」「顧問」「名誉顧問」など、会社ごとに名称をつけています。
取締役を退任して、この肩書きだけをもらっている人もいます。

いずれにせよ、これらの肩書きの人は、かつて経営陣であったが、今は経営の第一線を退いている、という意味に解釈して問題ありません。


番外2.執行役員

最近増えているのが、この「執行役員」です。
これも、会社が自由に定めている肩書きですので、会社ごとにその役割や位置づけは違うでしょう。

昔の日本の大企業は、出世した人をみな取締役にしていたので、取締役の数が数十人と非常に多くなってしまい、意思決定が遅いという弊害がありました。

最近では、本来の役割である「経営の意思決定」を迅速に行うために、取締役の人数を絞りこんで、意思決定を迅速にしようとしています。

その場合、取締役ではないですが、役員待遇の人を「執行役員」と呼ぶ場合があります。

本来の意味では、取締役は経営の意思決定に集中してもらい、一方で、取締役ではない事業の実務を行う責任者のことを「執行役員」と呼びます
執行役員はほとんどの場合取締役ではありません。
取締役の一歩手前にいる人と考えてもらえばいいでしょう。


番外3.米国型の役職

CEO、COOなどの肩書きを目にしたことはありますか?これは米国で主に使われる役職です。

日本の法律ではもちろん定められていないので社長や会長と同じように自由につけてよいの肩書きです。海外展開している企業などは積極的に米国型の役職を肩書きとして使っているケースがあります。

簡単に解説します。

「CEO(Chief Executive Officer)」
最高経営責任者と訳す。企業の最終的な責任者であり代表者。
大企業では会長、それ以外では社長が担っている場合が多い。

「COO(Chief Operating Officer)」
最高執行責任者と訳す。業務執行の責任者であり、CEOを会長が担っている大企業で、社長がCOOである場合が多い。

その他
「CFO」最高財務責任者(Chief Financial Officer)
「CIO」最高情報責任者(Chief Information Officer)
などが日本企業でも時々利用されています。
これら「C●O」は、ある機能の責任者という意味で、自由に使われています。

米国のGoogle社では「CCO」最高文化責任者(Chief Culture Officer)という役職があるそうです。

■まとめ
以上が、一般的な役員(経営陣)の役職・肩書きの考え方です。
イメージだけでもつかめましたか?

基本的には、「代表取締役」と「取締役」に、会社が自由に肩書きをつけくわえている、と理解してください。「代表取締役課長」であっても法律上は全くかまわないということです。

もし「うちの会社はぜんぜん違う肩書きのつけ方をしている」という事例があれば、ぜひお教えください。さらに、最近の大企業の中には、「委員会設置会社」というまた別の統治をしている会社があります。その場合、経営陣の役職・肩書きはまた異なりますので、またの機会に説明します。

また、役員ではなく、社員の役職名について、これは本当に会社ごとに千差万別ですが、またご説明します。
posted by career2.0 at 04:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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