2007年09月04日

就職のための「有報」の読み方@〜平均年収など

「有価証券報告書」は、上場企業が毎年発行している、会社の状況や業績など色々な情報が書かれている診断書のようなものです。
誰でも自由に読むことができます。

あなたの志望している会社が上場企業であれば、必ず「有価証券報告書」を読みましょう。
強くお勧めします。


おカタい感じの文書なので、とっつきづらいですが、
読むべきポイントだけを絞って読めば、けっこう色々な発見がありますよ。

まず、「上場企業」とは、いくつかある証券市場で、発行した株式が取引されている企業のことです。
そのためには、企業の審査があり、売上・利益・社内体制などが一定以上のレベルの企業しか上場できません。

その会社が上場しているかどうかがわからなければ、
ヤフーファイナンスで企業名を入力・検索して、企業名が出てくれば上場しています。
http://quote.yahoo.co.jp/

有価証券報告書(以下、「有報」とします)は、企業にとって健康診断書のようなもの。

法律で公開することが義務付けられており、もちろん嘘をついてはいけません。
虚偽記載の事件が時々ありますが、基本的に嘘はないと思ってかまいません。

会社のパンフレットは、たいてい「バラ色」に書いてあります。
当然ですが、いいところだけを書いてあります。
しかし、有報は嘘をつきません。

だから、企業の実態が最もよくわかる資料の一つです。
会社に投資する人々、たとえば投資家、ファンドマネージャーなどは、必ず有報を読みます。
そこから、会社の現在の状態、今後の成長などを読み解くのです。

もちろん就職において、投資家とは見るべきポイントが大きく異なると思います。
ただし、就職する、ということはやはりその会社に、ある種投資するということです。

業績がどんどん悪くなってきている会社に、入社したくはないでしょう?

会社が何を考えて、どういう業績を出しているのか、知るには有報は非常に重要なツールです。


□有報のありか

まず、有報を見る方法をお伝えします。

金融庁のEDINETというホームページで、すべての上場企業の有報を見ることができます。
早速、気になる会社の有報を開いてみて下さい。

http://info.edinet-fsa.go.jp/

このページで、「有価証券報告書等の閲覧」を選んでログインし、
「内国会社」をチェックして、あとは企業名から検索しましょう。
色々と会社が出している資料がありますが、まずは直近の「有価証券報告書」を読みましょう。


□就職(転職)活動で、どこを見るか?

以前、「離職率を知るには」という記事で、有報の見方を一部書きました。


有価証券報告書には、就職の判断に直結する内容も書かれています。

まずは、<第一部 第1 5「従業員の状況」>をごらん下さい。
これは各社の従業員の情報を記しています。役員は含まれません。

「(1)連結会社における状況」

※この項目がない会社もあります。

これは、どの事業に、何人が従事しているのか、わかります。

注意すべきは、「連結会社」という用語で、これは、「子会社も含めて」ということです。
有報は、基本的に、子会社を含めた企業グループ全体を一つの組織として考えています。「連結」とあるのはそういう意味です。

会社パンフレットには、会社の事業として色々なことが書いてあると思います。
とくに、地味な事業よりも、学生受けする人気の事業を前面にだして採用活動をします。
古いタイプの印刷会社が、IT事業を前面にPRしている場合など。

ただ、それだけでは、その事業の本当の位置づけがわかりません。

事業ごとの業績と、人の数を見ることで、その事業が、会社のなかでどれくらいの存在感があるのかわかります。
(業績については今後ご説明します)

「(2)提出会社における状況」

これは非常に重要ですね。
ここには、「従業員数」、「平均年齢」、「平均勤続年数」、「平均年間給与」
が記載されています。


「平均年齢」からは、会社の人数構成を推測します。

ただし、あくまで平均です。
若手からベテランまで、どれだけバラつきがあるのかはわかりません。

例えば、
・25歳が2人、55歳が2人、の会社の平均年齢は40歳です。
・40歳が4人いる会社も、平均年齢は40歳です。

そういった意味で、正確には年齢の分布はわかりませんので、注意が必要です。

ただ、他社の平均年齢と比べることで、組織の若さがイメージできると思います。

「平均勤続年数」では、離職率を推測します。

3年など、あまりに短い会社は、入った人がどんどん辞めていっているということです。
注意すべきポイントです。

「平均年間給与」は、平均年収(月給+賞与)を示しています。

就職活動で、会社が公開している「初任給」は、
「最初にもらう基本給」だけですので、
自分の生活を想像するための情報としては、はなはだ不十分です。

「平均年間給与」は手当や賞与も含めた、総支給額を平均しているので、
入社時のことはわかりませんが、
今後何年か勤めたときに、どれくらいもらえそうなのかがわかります。


これもあただ、くまで平均なので、「平均的な成績」の人がもらえる年収とは違うことを理解してください。

極端な例ですが、5人の組織で、年収250万円の人が4人、1000万円の人が1人の場合、
平均年収は、400万円になります。
その組織で普通の人は年収250万円ですよね。

平均は「普通」を表すわけではないので、注意が必要です。


また、その企業の過去の有報と比較しましょう。

推移を見ると、わかることがあります。

もし採用せず、社員が辞めなければ平均年齢が毎年1ずつ上がります。

その会社がリストラや新卒採用などで、若い層を厚くしているのであれば、平均年齢は下がります。
リストラしたのに、平均年齢が下がらないのであれば、リストラの失敗、若年層の離脱、もしくは中途採用の強化等が考えられます。

各項目の推移をみると、また、他社と比べると、このように企業の組織がどのような状況にあるのか、見えてきます。

有報は他にも見るべきポイントがたくさんあります。
今後、紹介していきます。

また、不明な点は遠慮なくご質問ください。

※関連記事:就職のための「有報」の読み方A「役員」
posted by career2.0 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 会社のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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