面接では、どうしても緊張してしまい、きちんと考えて話すことができません。
あとから振り返ると、言うことを間違えたり、もっと言うべきことがたくさんあったり、
毎回後悔しています。
緊張しないで済む方法はありませんか?
A.面接ひとつで自分の人生が変わってしまいますから、とうぜん緊張するでしょう。
もし緊張しない人がいれば教えてもらいたいものです。
私は今でも面接官のとき、緊張して声が裏返ってしまいます。
緊張しない人はいません。あなたは当然の反応をしているだけです。
あなただけではなく、同じように周囲の人も緊張しているのですから、
まずは条件は同じだと思ってください。
ただ、少しだけでも緊張をほぐすことができれば、気分は大きく違いますよね。
面接は、スポーツや楽器の演奏だと思ってください。
個人差はありますが、誰でも、
「たくさん練習したらしただけ、落ち着いて、ミスしなくなる」ということだけは、まぎれもない真実です。
その前提で、役に立つかわかりませんが、3つ、アドバイスをさせてもらいます。
1.とにかく面接をたくさんやる。
「慣れる」以外に、緊張をほぐす決定的な方法はありません。
慣れるためには、たくさん経験するしかありません。
そのためには、たくさん企業を受ける。
いきたいと思っている企業が、10社あれば、最低でも30社は受けましょう。
企業側にとっては、志望していないのに練習台として受けられるのは不本意ですが、
学生側から言えば、絶対に必要な経験です。
最初の面接から、言いたいことをスラスラ言える学生さんはいません。
どれだけ「話し上手」と言われる人でも、それだけは真実です。
その意味で、むしろ「話すのが上手だ」と自信を持っている学生さんのほうが、心配です。
誰でも、何度目かで、「なんとなく、話せるようになってきた」という感覚がでてきます。
だから、第一志望の企業は、できるだけ最後のほうに面接するようにしましょう。
そうはいっても、志望している企業の採用スケジュールが早い、
という場合は、志望していない他業種でもどこでもいいから、事前に面接を受けましょう。
その会社に、入る気がなくても、面接の経験は貴重です。
志望動機などは、平凡なものでかまいませんので、
きちんと面接の場でうまく話せるようにするためには、練習として必須の経験です。
面接を受けるのはタダです。
(交通費や履歴書の郵送代がいるかもしれませんが)
タダで、面接を経験できるのですから、こんなにお得な授業はありません。
プロの役者が、映画のワンカットのために、何時間練習しているか?
プロのスポーツ選手が、一瞬のプレーのために、何年練習しているか?
そう考えると、練習していなければ、「緊張する」「ミスしてしまう」のは当然です。
才能や性格の問題にするのではなく、練習の量の問題なのです。
2.面接に代わるもの。
部活もゼミもバイトもあり、時間は無限にあるわけではありません。
スケジュールの関係で、たくさん企業をうけるわけにはいかない、
という場合は空いた時間で、できるだけたくさんそれに近い経験をしましょう。
●模擬面接
これが一番いいですね。私もよく依頼されて面接官役をやります。
このブログの読者の方とも、たくさん模擬面接やカウンセリングをやりました。
学校の就職課でも、やっていますよね。
そういうことをやってくれる人がいれば、ぜひ頼んでみましょう。
そして、必ず「なにがよかったか?」「何がよくないか?」「姿勢・表情はよかったか?」
とフィードバックを求めましょう。
他人の視点で見てもらうことが重要です。
自分でいくら鏡をみても、見ているのは自分です。
あなたを評価するのは他人です。
●OB訪問
学生生活をするなかで、「社会人と話をする」という経験じたいが、そもそも少ないですよね。
スーツを着た中年の人と話をするだけでも緊張するものです。
だから、まずはできるだけたくさん社会人と話しましょう。
OB訪問は、基本的には親しい先輩からはじめるべきですが、
「面接慣れ」するためには、あまり親しくない人とも多く話すことがいいでしょう。
親しい先輩に、「色々仕事について聞ける人を紹介してください」といえば、たいてい紹介してくれます。
知らない社会人と話すことで、緊張することに慣れましょう。
その緊張のなかでも、自分の考えをはっきり相手に伝える経験を積みましょう。
3.記録をとれ。
とにかく就職活動中はメモ・記録をとりましょう。
いきなり慣れないことをはじめるわけですから、また、いくつかの企業の就職活動を同時並行で進めるわけですから、頭の中が整理できないのは当然です。
記憶に頼らず、文字にすることで、
あとから正確に振り返り、反省できます。
反省することで改善・成長し、自信がうまれます。
緊張をほぐすためには、自分を知ると生まれる、自信が必要なのです。
反省のないところに、成長はないし、自信もうまれません。
以前、「就職活動ノートをつくろう」、と書きました。
記憶は少しずつ消えていきますし、嘘をつきます。
正確に思い出すために、面接のたびに記録しましょう。
1「どんな質問に」
2「どう答えたか」
の2つだけでかまいません。
時間がたつと、だいたいの内容は覚えていますが、どんな表現をしたか、覚えていないものです。
面接では、内容だけではなく、どういう言葉・文書でそれを言ったのかも重要です。
記録がなければ、振り返って反省し、改善することができません。
やりっぱなしではなく、記録する。
会社に入ったあとでも、とても重要な習慣です。
以上、色々と書きました。
緊張をうまくコントロールする方法は、根本的にはありません。
新人のデビュー戦で活躍するスポーツ選手がいますよね。
才能や性格が天才的だから、デビューから活躍できるのでしょうか?
彼らは、学生時代から数多くの試合を経験し、失敗を重ね、反省し、気が遠くなるほど練習を繰り返し、自信をつけてきたからこそ、現在は緊張をコントロールできているのです。
そこには緊張をコントロールする方法論があるのではなく、まずは「経験した量」がモノをいうのです。
就職活動においては、あなたはそのスポーツ選手のデビューと同じです。
才能とか、性格のせいにするのは、現実逃避です。
実践→反省→練習→実践
このサイクルをどれだけ多く繰り返したかが、問われています。
どんな人でも、このサイクルは回せますし、その結果、かならず成長します。
毎回、反省をすれば、量がかならず質を生むということです。
面接はやればやるほど、緊張が自信にかわっていくのは、面白いものです。
30回ほど面接をすれば、ほとんどの人は、最初の面接の2倍は上手になっています。
要は、就職活動の早い段階で、30回、やるかどうかなのです。
家で1人で自己分析を繰り返すのではなく、外で、人と会いましょう。
就職活動は、実践の中でしか見えないものが多くあります。
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楽しみながら、自信をつけていきましょう。