2008年02月07日

圧迫面接への対応

「圧迫面接」に出くわしたことは、ありますか?

「面接官にひどいことを言われた」という話は、よくご相談いただきます。
「それがトラウマになっていて、対人恐怖になった」という話も聞きます。

面接という人の人生を左右する大切な対話の場で、面白半分に不快感が残るような面接は、どんな人気企業でも許されません。ただ、現実にそういう例は多々あります。

【会社側の問題】
面接官も、普通の会社員です。みんな立派な人格者ではありません。面接する能力を欠いた面接官も、多くいます。

面接官は、面接の場で圧倒的に強い立場にいます。
ビジネスでは、強い立場の人間であるほど、謙虚さや冷静さ、公平さがなければ尊敬されません。面接で、尊大・横柄な態度の人は、その後おそらくいい管理職、幹部にはなれません。

面接官本人の問題もありますが、面接でどういう接し方をするべきか、何を聞き、何をみるのか、逆に何は見ないのか、何を聞いてはいけないのか、そういった面接の基本的なルールを徹底できていない企業側に大きな問題があります。
「応募してくれた人に対して誠意を持って接する」という理念のない企業だということです。

面接一つをとっても、その会社の人間観が大きく現れていると思います。
企業を選ぶ際に、大いに参考にするべき情報だと思います。

【応募者側の心構え】
よく「圧迫面接」と言われるものには、2種類あります。
1.面接のルールとして許されないもの
2.圧迫感はあるが、通常の面接の範囲のもの

1.は、例えば家族構成を聞いたり、出身を聞いたり、女性に恋愛のことを聞いたり、「美人ですね、彼氏いるの?」と言ったりといったプライバシーに関わるものです。

聞く人は「その人の人柄が知りたいので」と言い訳をしますが、プライバシーに踏み込まなければその人の能力を評価できないということです。つまり、人を評価する能力が低いということです。そんな言い訳は通りません。

その場合の対処方法はいくつかあります。
怒っても構いません。冷静に怒りましょう。

●受け流す(適当に答える、わかりませんと無視する)
●質問の意図を問いただす(「それは、仕事の能力とどのように関係があるのでしょうか?」と)
●名前を聞く。(失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか?)
●人事に言う(「面接で、●●さんから、〜という質問を受けましたが、それは御社の人材評価の方針と考えてよいのでしょうか?」)
●ネットに書き込む(就職系の掲示板でもいいですが、上場企業の場合、ヤフーの企業掲示板のような、投資家が読むような場所のほうがインパクトがあります)
●一株だけ株を買って、株主として会社にモノを言う。

怒った度合いに応じて、いろいろ対応してください。

一方で、上記2のケースもあります。
私から見て、通常の面接の範囲であっても、応募者側が「圧迫だ!」と反応しているケースもあります。

そこは絶対に「冷静な対応」をしなければなりません。

感情をコントロールすることは、ビジネスパーソンとして成長していくための、重要なステップです。
「悔しい」「ムカつく」「嫌い」、そういう感情は誰でもあります。
ただ、優れた人物は、その感情を一旦隣に置いておいて、目の前の課題に機械のように対応します。
冷酷でもいけませんが、「感情的な人間」は、「嫌な仕事から逃げ出す」と思われることもしばしばです。

そのために、圧迫のパターンを知り、想定しておくことが重要です。
想定したものであれば、余裕で「想定内の対応」ができます。

【きちんと対応しなければいけない圧迫面接のパターン】

@反論
「私はそうは思わない」「あなたの言っていることは間違いだと思う」

A否定
「あなたの能力では、うちではやっていけない」「この仕事に向いてないよ」

B偏見
「体育会の人間は、Yesしか言わない。思考が停止している」
「スポーツをやっていない人間は、甘えたところがある」

C理不尽な要求
「なんか面白いこと言って」「僕を女だと思って、口説いてみて」


上記のようなパターンだと思います。
文脈にもよりますが、これだけでは「理不尽な圧迫面接」だとは思いません。
本気で言っている人もいれば、「あえて」そういう意見をぶつけて、反応を見る場合があります。

仕事の上では、どこにいっても、自分の主張を展開しようとするとき、数々の反論や偏見を想定しなければなりません。
ビジネスの中で、とても重要な能力です。
仕事の各場面で、自分の主張を通そうとすると、必ずいろんな反論、反発にぶつかります。
それに対して、怒ったり、ムキになったり、逆にふさぎこんでしまっていては、何かを実現することはできません。

求められることは、
「相手の気分を害さずに、相手の反論を封じ込める」ことです。

就職活動の学生さんの中には、急に頭ごなしに反論されて、思考が止まってしまう人がいます。
今まで強く相手に反論されたことがないと、驚いてショックを受けてしまうのもよくわかります。

いろんなパターンとそれぞれの対応をしっておくと、だいぶん楽ですよ。


【対応のしかた】

1.準備する。

何かを主張すれば、それに対して、「もっと具体的に」とか「それは違うと思うけど」という反応がかえってくることは、必ず想定しなければいけません。
そういう質問に答えられないのは、準備が足りないだけです。
上手い人は、準備している分野につっこんでくれるように、わざとそこにスキを見せておきます。

2.まず肯定する。
言われたら、最後まで、相手の反論を聞きます。
そして、一旦それを肯定します。

言われた瞬間に「でも、、、」「じゃなくて、」と話し始めてはいけません。
まず、「確かに、そうだと思います」と肯定しましょう。
もしくは、「確かに、○○というご意見は、そのとおりだと思います」。
肯定することで、一旦落ち着きます。時間も稼げます。
相手の意見を繰り返すことで、相手の気持ちもわかります。

3.違いを明らかにする
肯定したあとに、自分の意見を曲げてもいけません。(全く自分が間違っていたと思うなら、素直に認めてもいいと思いますが)
世の中にはどちらかが一方的に正しいなんてことは、なかなかないものです。
あなたの意見も、全部否定する必要はありません。
大事なのは、お互いが言っている意見にはそれぞれ根拠があり、その根拠の違いを明らかにすることです。
つまり、意見の相違はどこから生まれるのかを明らかにするのが、この場合最適です。


4.主張する
それでも、自分の意見は最後に言いましょう。
そこで相手の意見を受けて、軌道修正しても構いません。相手の意見を取り入れるのもいいと思います。
私の意見もある面では正しい、という方向に持っていきます。
全く相手の言うとおりです、と信念のない態度をとるよりも、お互いの言い分があって、それぞれ納得できるということを明らかにしたほうが、有効です。
主張の全くない人には、会社はそれほど魅力を感じません。


具体例@

反論される
「自己PRで、勉強熱心で学校の成績がよかった、と言われても、その勉強内容は、うちの仕事とは関係ないので、仕事では全く役に立たないと思いますよ」

肯定する
「はい。確かに、御社の仕事に直接関わる勉強をしてきたわけではありません。その意味では、私のしてきた勉強は、おっしゃるとおり、御社に役に立たないかもしれません」

違いを明らかにする
「勉強が、直接のお役にたてるかどうか、というような意味でご指摘いただいたのだと思います。
言葉不足でしたが、私が申し上げたかったのは、勉強に向かう姿勢のことです。その姿勢が、御社の仕事への取り組みにも通じるのではないかということです」


自分の意見の正しさをやわらかく主張する
「具体的には、予習すること、つまり今後起こることを想定しておくことです。そして質問すること、つまりわからないことをわからないと質問して、すぐに解決することです。復習すること、つまり結果を振り返って、問題点を改善していくことです。こういう勉強への姿勢は、御社の仕事でも必ずお役に立つものだと思っております。」


具体例A

偏見を言われる
「野球って言ってもサークルでしょ?やっぱり体育会に比べて、チャラチャラしてるし、根性もない、上下関係もわかっていない。仕事する面ではサークルの人間は劣ってると思うよ。」

肯定する
「はい。確かに、サークルである以上、体育会の方に比べて、厳しさの面では劣っている部分もあると思います」

違いを明らかにする
「一方でサークルならではの長所もあります。まず、上下関係、組織の目標が明確ではないので、意思決定に関わる調整が難しいといえると思います。一方的な命令ではなく、ミーティングで、メンバー多くの意見を調整しながら、ものを決めていく必要がありました。その渦中におりましたので、コミュニケーション能力がだいぶん磨かれたと思います。
そして、体育会に比べて予算が少ないので、少ない予算の中で、どれだけ参加者の満足度、レベルアップを最大化できるのか、コストパフォーマンスについて常に真剣に考えながらサークルの運営をしてきました」

自分の意見の正しさをやわらかく主張する
「体育会とは違った、難しい意思決定を常に調整してきたことは、自分の財産になっています。おそらく会社でも、命令で動くものと、話し合いの中で決めるものと、いろいろな意思決定のパターンがあると思います。自分の培ったコミュニケーション能力は、企業の中でもお役にたてるものだと自信を持っております」


いろいろな場面で、圧迫面接はあると思います。
まじめに対応するのは、かなり疲れます。
できるだけ、準備をしておいて、「予想したとおり」と余裕を持って対応できるようにしましょう。

もし、どう対応していいのかわからない、という面接があれば、教えてください。対応を一緒に考えましょう。
posted by career2.0 at 16:36| Comment(3) | TrackBack(0) | 就職・転職一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、圧迫面接の記事を拝見しました。

そこで質問を一つ失礼致します。


面接官の横柄な態度に「言葉遣いの乱暴さ」は含まれるのでしょうか?
私が体験した面接は以下のような事ばかりでした

・面接前で誰かに「意味分からん、はっきり言えや」と面接用の部屋まで聞こえる声で話していた

・私の事を「おたく」「あんた」と呼ぶ

・「〜じゃろ?」「じゃけん」と方便で話す

・「後で電話しますわ」と言ったのに、何も連絡無し


私はヤクザの方と話して居るのかと思いました
三番目は広島県ですので、しょうがないとは思いますが、面接の際に遣う言葉遣いでは無いと思います。


私が体験した面接は圧迫面接とは関係ないのでしょうか?
Posted by にゃんちき at 2011年09月27日 17:25
一般論を言えば、マナー違反だと思います。
圧迫というよりも、単に態度が悪い、ということですね。
そういう人が面接をする会社だ、という理解でよいと思います。
そういう会社をひどいと思うのであれば入社しなければいいし、
それでも入りたいのであれば、我慢して入る。
マナー違反ではありますが、就職活動でこちらがとるべき判断はどちらかだと思います。
Posted by career2.0 at 2011年09月27日 17:47
なる程、参考になりました。ありがとうございます

面接を担当された口の悪い方が社長だと分かった時、働いてもマイナスになりそうな仕事場なので、別の場所を探します。

早めに返信してくださり、とても助かりました

改めてありがとうございました
Posted by にゃんちき at 2011年09月27日 18:57
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