2008年02月19日

効果のある自己分析を

先日、当ブログからご相談を受けた大学生の方とお会いしました。一時間ほどスタバでお話ししてアドバイスをしましたが、私にとっても実りの多い時間でした。

【自己PRすることがない】

その方は、企業に対して「いかに自分をPRするか」悩んでいました。
正確に言えば、「PRする自分がない」ことに悩んでいました。

自分は特別な特技もない、これといって人に自慢できる経験もない、一流大学にいるわけでもない。ただ「自己分析ワークシート」というような本を買って、自分の生きてきた約20年間の人生を振り返り、各項目を埋めてみたものの、そこから何かPRできるものが発見できたかと言えば、できていない。

その方のお話を詳しく聞き、話をしたところ、PRするところがないとは全く思いませんでした。いいところを色々持っていると感じました。
だから残りの時間は、その魅力について上手な伝え方・表現方法を一緒に考え、その方の「自己PR」が一応完成してお別れしました。自信をもっていただけたのかな、と私も少し手ごたえを感じました。結果はまだわかりませんが、面接の経験を積んで精力的に就職活動をすれば、必ずいい企業に出会うと思います。

【なぜ自分の長所が見つからないのか?】

その方の、それまでの自己分析に欠けていたのは、他人の評価に耳を傾けることでした。「自己分析」そのものは必要ですが、ワークシートを前に机に向かってペンを持って時間をかけるものではありません。
自己分析は、「自分が何者か」考えることではありません。「自分が他人にはどう見えるのか」考えることです。
その二つは似ているし、考える内容は重複しますが、その意味の違いは大きいと思います。

【自己評価より他人の評価が重要】

まずはっきりしているのは、「内定を取る人は面接官が評価する人だ」ということです。
当たり前すぎる話ですが、「自分の評価」ではなく「他人の評価」で内定が決まるのだということを強調しておきます。

実はそれを忘れがちです。
それまでに、多くの人の中から選抜される経験といえば、受験があったと思います。高校受験も大学受験も、もちろん学校側が受験生を評価・選抜するものなので、「他人の評価」の結果です。

【受験は自己評価≒他人の評価】

ただ、大学入試を自己採点して、自分が75点だと思えば、大学側の評価もだいたい75点です。直近まで偏差値50の人は、だいたいテストでも偏差値50です。急には大きく変わりません。

つまり、受験においては「自分の評価」≒「他人の評価」です。

【就職は自己評価≠他人の評価】

就職では、その前提が崩れます。自己評価と、他人の評価の違いが大きく現れます。

例えば、自分では「手ごたえがあった」と感じたはずの面接で落ちたり、自分では部活の経験をPRしたのに、面接官にはゼミの勉強内容をつっこまれたり、面接官が冷たくてこれは絶対ダメだった、という企業から内定が出たり。。。

就職活動で、自分の評価がイマイチあてにならないということ、そして、評価するのが人間であって、人間である以上、評価の基準がわかりにくいということを痛感すると思います。
ここで、内定を決めるのが面接官という人間である以上、「自分の他人からの評価」を真剣に検討しなければならなくなります。

だから「自分のことを他人がどう感じるか」を言葉にするのが、必要となる自己分析です。「自分がどんな人間か」を延々と考えることではありません。

【就職での自己分析とは】

周りからは「陽気な人」と思われていても、本人は「実はネクラだ」と感じている人は多いでしょう?
じゃあ、どちらが自己分析でしょうか?
「私は本当はネクラです」「他人は自分の本当の姿がわかっていません」ということは、正しい自己認識ではあると思いますが、就職の自己分析としては完成していません。
「それでも今まで、陽気だと人から評価されてきた」という客観的な認識こそが、就職の自己分析です。自分を少し突き放して見るということです。

【自己分析通りに活躍はできない】

「自分はリーダーシップがある」という人が10人いても、会社に入ってリーダーシップを発揮できる人は1人です。
それは、9割の人はリーダーシップがない、9割の人の自己分析が間違っている、ということを意味してはいません。
それまでのリーダーシップと、企業でのリーダーシップは質が違うものだということです。逆に、それまで参謀タイプだった人が会社でいいリーダーになったりもします。
企業でのリーダーシップは、企業に入らないと理解できません。
だからその違いを詳しく考える必要はありません。
学生時代にリーダーシップを発揮した人は、たとえ企業でのリーダーシップと違うものでも、それを自分の魅力としてPRするべきだと思います。

なぜなら企業は、自己PRの内容について、具体的にそれを発揮してほしいと期待して内定をだすわけではありません。自分を客観的に分析できる力を見ているだけです。

【平凡でもいい】

以前も書きましたが、世の中の9割以上の人は平凡です。平凡で構わないと思います。平凡でも、自分を他人の目線で冷静にみつめる人は、自分の行動についても反省し改善できる人です。反省し、改善できる人は、成長する人です。
企業が求めているのは、働きながら成長する人です。

逆に、「他人が理解していない本当の自分」にこだわっている人は企業としては魅力的とは言えません。
他人の評価が低いときに「他人はわかってくれない」と思う精神は、企業がお客様からクレームをもらっても、「客がわかってない」というようなことを平気で言える神経と同じです。
そこに、成長はありません。

学生時代にいろんな面で優秀であったはずの人が、企業で簡単にダメ社員になっていく姿を、たくさん目にします。
新しい環境で他人から評価されないときに、他人の目で自分を冷静に見られるか、それとも他人を無視していままでのやり方にこだわるのか、10年たつと、その差は絶望的に大きいです。

【自己分析の前に、他人の評価を集めよう】

就職の自己分析では、ワークシートの前に、他人の自分への評価を集めてみましょう。
誰でも数人は友達がいます。友達は、あなたの何かに魅力を感じて、友達でいるわけです。魅力と言うほどではなくても、友達付き合いをやめるほど喧嘩をしなかったのであれば、喧嘩をしなかった理由があるはずです。
学校の先生や、親戚やバイト先でほめられた経験も少しはあるはずです。近所の人にほめられた経験もあるはずです。そういう言葉を集めてみましょう。

他人の評価が自己認識と違う場合、「他人は、本当の私のことがわかっていない」と孤独を感じることもあると思います。

就職活動をするということは、その他人の評価を受け入れるということです。自分の評価も、他人の評価もどちらも正しくて、一人の人間を違う角度でみているだけだ、と知ることです。
その一歩を踏み出すことで、だいぶん精神的に余裕が出てきます。
半年程度の就職活動でも、人は大きく成長します。成長のためには成長できる心の余裕が必要です。
それは、他人の評価を素直に受け入れる、という心の余裕です。
posted by career2.0 at 18:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 就職活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>誰でも数人は友達がいます。
いません。
Posted by at 2013年11月10日 19:26
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