2007年12月27日

同族企業に入ってはいけないのか?

「あの会社は同族企業ですか?」という質問をよくいただきます。
もちろん気になる企業について、調べるのは重要ですが、
その背景には、「同族企業には入りたくない」という考えかたがあるようです。

では、なぜ同族企業には入りたくないのでしょうか?
理由は大きく2つあるようです。

1.同族企業は、経営陣を一族で占めているので、がんばってもトップになれない。
2.同族企業は、不祥事がおきやすい。

まず最初に申し上げたいのは、繰り返し言っているように、マスコミはほとんど真実を語りません。
視聴者や読者が期待しているように伝えるのが、マスコミの大きな仕事です。
私たちは、マスコミの流す情報の向こうにある真実を、自分の力で発見しなければいけないのです。

今は、同族企業を叩くのがマスコミが共有している大前提です。
もちろん、赤福、船場吉兆など、同族経営の会社の不祥事が、今年は目立ちました。

多くの一般市民にとって、一族で富や権力を独占している状況が許せるはずもありません。
視聴者は、「だから同族経営はダメだ」と思いたいし、言いたい。
マスコミも、それに同調して、同属企業を叩く。
そんな構造が見え隠れしています。

ただ、冷静に振り返ってください。
あなたがふだん選んでいる食べ物、洋服、雑貨、薬、車、、、多くの魅力的な製品が、
同族企業から生まれているという事実を、知っておく必要があります。

トヨタのカローラに乗って、サントリーの伊右衛門か伊藤園のおーいお茶を飲み、
風邪をひいたら武田のベンザブロックと大正製薬のリポビタンDと大塚製薬のポカリスエットを飲んで、
着ている服にはYKKのファスナーがついていて、手土産には虎屋のようかんを買って、
よく通っている近所の鮨屋は先代の後を二代目が継いでいませんか?

それらの事実をなかったことにして、「同属企業はダメだ!」と叫んだところで、まったく説得力はありません。

同族企業が悪いのではありません。
悪い同族企業があるだけです。
そして、同族企業にしかできないことが、あります。

同属企業は、大株主である一族がいて、経営者も兼ねているという企業のことをいいます。
逆に、そうではない場合、株主と経営者は別々です。
ということは、いわゆる雇われ、サラリーマン社長です。

サラリーマン社長は、数年で任期が切れます。
その間、株主からは業績を向上させるよう要求されているわけです。

そのときに、「損してもいいから、50年後に実用化される新技術を開発しよう」と思いますか?
その社長にとって、そのようなインセンティブ(動機)が働くことは難しいです。
それよりも、コストを削減し、営業をてこ入れして、即効性のあるヒット商品をつくって業績を向上させたほうが、
社長としては評価されます。

一方、同族企業にとって、自分の子供や孫の代に企業を残していくことは大きな使命です。
家族愛はどんな愛よりも強い。
それが身内びいきにつながる危険も多くありますが、家族の強い愛が、「子孫にいい企業を残す」ための経営につながっていることも事実です。

外資系の脅威にさらされながらも、今の武田薬品の調優良な財務体質を築いたのは、
前社長である武田國男氏の手腕によるところが大きいといわれています。
名前のとおり、武田家の人間です。社員の反対を受けながらも、大きな改革を次々と、飄々と成し遂げました。

創業家の強みは、いろんな人の顔色を伺う必要がないということ。
ふつうの会社では、株主、従業員などが自分の利益を求めて、いろんな圧力をかけてきます。
サラリーマン社長は、彼らに選ばれて社長になったのですから、かれらを裏切る決定はできません。

それを、振り切って、100年後を考えた大きな投資をする決断は、
しがらみとは無縁の、自分の会社だという強烈なプライドがなければなしえません。
つまり、同属企業以外では難しいのではないでしょうか。

巨額の投資を必要とする製薬業界や、ものづくりの企業、アパレルやファッションなど、合理的には説明しづらい美学が原動力になっている企業においては、民主的な意思決定よりも、責任が明確なトップの強いリーダーシップ、10年を超える長期的なが視野必要です。そこにおいては、同属企業のトップのほうが、強いと思います。

船場吉兆の女将が、「父に申し訳ない」と謝罪したのが象徴的でした。
マスコミはこぞって、「客より先に身内に詫びるとはどういうことだ」と彼女を叩きましたが、
吉兆にとっては当然の反応でしょう。

消費者は移り気です。流行や新商品に飛びつき、すぐに飽きます。
そんな目の前の客の一喜一憂には左右されず、自分たちの信じるものをつくり続けるためには、家族的な強い哲学が必要です。
小さいころから、「これを守れ」と言われて育っていなければ、守ることができない価値観があります。

もちろん吉兆の罪は大きいと思います。
消費期限の偽装よりも、その偽装を従業員の責任にしたことは、同族経営としては最も卑劣です。

家族が強い権限を持つかわりに、失敗したら全責任をとるのが、同族経営の絶対的な原則です。
だからこそ、従業員は、その一族についていくのですから。

大きな責任を取るからこそ、大きな権限が集中しているのです。
株主であり経営者である、という権限の集中が、意思決定を早くして、長期的視野の経営が可能になります。
それが同族経営です。

就職・転職をお考えのみなさんは、同族=×という安易な意見には流されず、
その権限と責任の関係、同族経営のメリット・デメリットを考えたうえで、考えてください。
同族経営で、働きやすく、優良な会社はたくさんあります。
posted by career2.0 at 18:37| Comment(0) | TrackBack(1) | 会社のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月26日

合否の連絡は、いつ来るの?

先週、面接を受けましたが、連絡が来ません!
こっちから聞いていいのでしょうか?
履歴書を送ったのですが、何の連絡もありません。
書類選考で落ちたのでしょうか?

このようなご質問を、多数いただきます。
他の企業の採用も並行して進んでいるわけですから、
返事が来ないと不安になるのはよくわかります。

でも、不安なまま毎日を過ごしても精神的に不健康です。
悩んでいても仕方ないので、行動して不安を解決しましょう。

ここで、いつくかの原則をお伝えします。

1.いつ返事をくれるのか聞くことは、全く失礼ではない

礼儀正しく聞けば、当然答えてくれます。企業は答える責任があります。未定の場合は未定だと答えてくれます。
それによって評価が下がることはありません。
不安だったり、他の企業との兼ね合いがあって知りたいのであれば、まず聞くべきです。

2.基本は1週間。最大2週間

もちろん企業によって、選考のスピードは大きく異なります。
100人応募した場合、100人の1次面接がすべて終ってから2次面接に進む人を決める場合もありますし、
1次面接が終るたびに、すぐ2次に進む5人を決めて連絡する会社もあります。

ただ、一般常識としては、企業は遅くとも2週間以内に(できれば1週間で)連絡するべきだと思います。
したがって、2週間たっても連絡がなければ、問い合わせてみるのは当然のことです。

応募して、その後返事がない場合も同じで、不安なら問い合せましょう。

3.企業は普通、返事をする

「返事がないので、落ちたのかな」と思う方もいるでしょうが、
ダメならダメで、連絡が来るものだと思ってください。

時々、返事をしない企業もあります。それは常識的に言えばマナー違反です。
こちらが真面目に応募したのですから、企業も誠意をもって返答すべきです。

ただ、あらかじめ「次の選考に進むかただけ、ご連絡します。ご連絡がない場合は、不合格ということです」と会社からはっきり言われている場合は、もちろん連絡がなければ不合格ですが、それ以外は連絡があるものと考えて下さい。


4.不安にならないよう、面接の最後に聞こう

合否の結果が来る予定をわかっているほうが安心できますよね。
ハラハラしながら過ごすよりは、およその予定を知っておいたほうが、精神的にはいいはずです。

だから、面接の最後に「結果のご連絡はいつごろいただけるのでしょうか?」と、聞くようにしましょう。

「できるだけ早く」と濁す会社もあると思いますが(それは担当者が、スケジュールを知らないだけです)、普通は「だいたい一週間で」などと教えてくれます。

結論

仕事をしていく上で、何ごとにも共通しますが、わからないこと、不安なことは質問して解決するようにしましょう。それを放置していて、良いことは全くありません。企業で仕事をする場合、わからないことをただ「わからない」と悩んでいる人間は、仕事ができない人間です。自分でわからないことを解決していく能力が必要です。
印象を悪くするのではと変におびえずに(企業はそんなことで一々評価を変えたりしません)、堂々と質問して下さい。
会社側も、勝手に悩まれるよりも質問されたほうが助かります。

下記の例を参考に、ぜひ確認して下さい。

例1:面接の結果を知りたい場合
「◯◯大学の◯◯と申します。●日の面接の結果は、いつ頃ご連絡を頂けるか、教えて頂けませんでしょうか?」

例2:応募書類を送って返事がない場合
「◯◯大学の◯◯と申します。●日に応募書類を送らせて頂いたのですが、届いていますでしょうか?」
「その結果は、いつ頃ご連絡を頂けるか、教えて頂けませんでしょうか?」


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2007年10月04日

OB訪問・OG訪問のコツとマナー7

OB・OG訪問は、就職活動の中で、最も効果のある活動です。
(以下、まとめて「OB訪問」とします)

本や新聞を読んで研究することも必要ですが、
それ以上にOB訪問の効果は、以下のところにあらわれます。

・企業の欠点を知ることができる
 →人事部は、会社の課題、欠点、弱点、危機、リスクをなかなか言えません。

・働く環境を知ることができる
 →事業の内容はメディアに出ますが、
  そこで働く人の働き方、働きやすさはメディアに出ません

・会社のカルチャーを知ることができる
 →カルチャーは、言葉にしにくいものです。
 だからホームページやパンフレットには表現できません。
 履歴書だけでは人柄がわからないのと同じです。
 企業の性格も、そこで働く人を通じてしか理解できません。
 
・本で読む知識であっても、話を聞いたほうがわかりやすい
 →分厚い本を読むのは疲れます。
  OB訪問では、業界環境、業務内容など、
  難しい話を実際働く人がかいつまんで説明してくれます。
  話を聞いてから本を読むと、理解がぜんぜん違います。

・普段会えない人に会える
 →会社の人が、自分の会社についてタダで語ってくれることなど、
  就職活動のとき以外ありえません。
  (さらにお茶や食事などご馳走してくれる)
  コンサルタント時代、謝礼を払ってヒアリングしていました。
  学生という身分は、とても贅沢なことができるのです。
  

【OB訪問の種類】

1.人事を通して行うもの
2.個人的に行うもの

1は人事部に「OBを紹介してください」といってお願いするものです。
会社は、比較的仕事振りも順調で、話すのも上手そうなOBを決めておいて、その人を紹介します。
ある程度、話す内容をすり合わせている場合が多いです。
話した結果は、会社によっては、そのOBから人事に報告されます。

2は、知り合いや、就職課などに紹介してもらって、個人的に先輩と会うことです。
こっちのほうがいいです。
上記に書いた、働く人の本音が聞けるからです。

「当社はOB訪問を受け付けておりません」としている会社がありますが、
それはあくまで、1.のOB訪問をしていない、というだけで、
もちろん社員がプライベートで誰と会って何を話そうが、原則自由です。

知り合いを頼って、OB訪問をたくさんしましょう。
OB側もけっこう楽しいものです。遠慮は不要です。
最終的な入社の決断をするときは、必ずOB訪問の生の声が役に立ちます。


【OB訪問のコツとマナー 7】

1.質問する項目をリストアップしておく
 →聞きたいことがあっても、緊張するので忘れてしまいます。
  項目をメモして行き「メモをみながら質問してもいいですか?」と言いましょう。
  ダメという人はいません。

2.聞きながらメモをとる
 →私はここでしつこく言っていますが、
  話した内容を記録することは、就職活動でとても重要です。
  さきほどの流れで、メモをとることの許可をもらいましょう。
  それも怒る人はいません。

3.手土産
 →欲を言えば、お菓子の一つでも持っていけばいいと思います。
  安いものでいいです。
  そこまでする人はあまりいませんが、手土産を持ってくると、
  「しっかりしてるな」と感じますし、こっちもちゃんと話そうと思います。
  好みは気にしなくてかまいません。
  忙しい中、会ってくれる感謝の気持ちを見せるだけです。
  「ちょうど実家からお菓子を贈ってきたんですよ」とか、
  「私の家の近くでよく食べているお菓子なんですけど」
  とかいいながら、スムーズに渡しましょう。

4.ホメる   →人から話を引き出すときの、鉄則です。
  若い学生からほめられたり、尊敬されてうれしくない人はいません。
  ほめ上手になりましょう。これは一生モノのテクニックです。

5.紹介してもらう
 →同じ会社でも、人によって企業への評価が微妙に違います。
  何人かの意見を聞くと、その企業が立体的にみえてきます。
  同じ現象をみても、人によって全く逆の解釈をするものです。
  同じ研修でも、「指導が丁寧だ」という人もいれば、
  「指導が細かくて厳しい」という人もいます。
  何人かから話を聞くまで、簡単に結論をだしてはいけません。
  「お知り合いを紹介していただけませんか?」と言って、
  同期や知り合いを紹介してもらいましょう。

6.評価してもらう
 →「私の話し方や聞き方で、直したほうがいいところはありますか?」
  と、最後に聞きましょう。
  社会人がどう感じるか、評価を面接の本番の前に聞けるのはお得です。

7.お礼をする
 →メールで構いません。
  (「ハガキで送れ」という本もありますが、
  OB側もそこまで求めていませんし、現実的にそれは無理です)
  できれば翌日までに、しっかりお礼を書きましょう。
  もし、人を紹介してもらって、その人と会えた場合は、
  紹介してくれた人と会えたことのお礼もしましょう。

  メールの文例を下記に書いてみます。
  ポイントは、
  書式やマナーを重視しすぎて、メッセージが薄くならないようにすること。
  学生さんが慣れない敬語を使いすぎて、
  結局何が言いたいのかわからないような文章になってしまう、
  悲しいケースが多々あります。
  繰り返しいいますが、
  会社や先輩は、細かい学生さんに細かいマナーを求めていません。
  彼ら/彼女らも、学生のときは細かいマナーを知らなかったはずですので。
  フォーマットどおりの硬いお礼状ほどつまらないものはありません。
  本当に話聞いてたのかな?と不安になります。
  あなたの肉声が大事なのです。

●●先輩
(比較的親しい場合。
そんなに親しくない場合は、○○株式会社 ○部 ○○様と、普通のビジネスメールのように書きましょう。)

こんにちは。
昨日は、お仕事が大変お忙しいところにも関わらず、
OB訪問を快く引き受けていただき、誠にありがとうございました!
(若いから元気な感じが嬉しいです)

就職活動をはじめて、日が浅く、右も左もわからないような状況ですので、
○○先輩のお話をお伺いして、自分の活動の方向性が明確になったように感じております。
○○業界についても、本や雑誌では知りえなかった現場の魅力が理解できました。

本当にありがとうございました
また、就職活動を続ける中で、迷うことがあるかと思いますが、その際はぜひご相談させてください。

お忙しいと思いますが、くれぐれもお身体ご自愛下さい。
今後ともよろしくお願いいたします。

○○大学 ○○学部
○○○○




posted by career2.0 at 19:58| Comment(16) | TrackBack(0) | 就職活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月02日

情報収集の5原則

就職活動・転職活動での情報収集には、注意が必要です。
就職・転職活動をしている人から話をきくと、根拠のない噂を信じていて心配になることがしばしばあります。

情報収集の大原則は、以下の5つです。

1.事実を集めること
2.事実から安易に結論を求めないこと
3.メディアはスポンサーの悪口を言えないと知ること
4.匿名の話は、ほとんど真実ではないということ
5.公開情報から真実を読み解く分析力が何より大事だということ


どの企業にも失敗や不祥事はあります。
だから、失敗や不祥事の情報だけで「あそこはヤバい」と評価する根拠にはなりません。

しかし、就職・転職活動で(特に就職活動中の学生の方は)、その手の噂話に左右されやすいです。

「美点も汚点もある企業」という組織をイメージしづらいですし、不安ですからしかたないですが、
根拠のない変な噂話を、得意げに話している学生のかたが多いのに、時々私も驚きます。

どんな情報でも、悪く解釈しようと思えばできますし、いい方向に考えることもできます。

例えば、

@ 「ある企業の製品に、不良品が見つかった」というニュースを見て、

Aさん:「不良品が出るのは、企業に品質軽視、顧客軽視の体質がある証拠。信用できない」

Bさん:「不良品はどのメーカーでも出る。それを隠さず公開したのは企業として正直だということ。信用できる」


A 「ある企業の新人研修は、真夏の炎天下でノルマをもって、飛び込みで新規顧客に自社製品を売ることだ」と聞いたとき、

Aさん:「社員を使い捨ての兵隊としか思っていない。社員の個性を軽んじているような会社だ」

Bさん:「新人であっても社員を信頼しているから顧客の前に出してくれる。顧客と向き合う最前線で、実際の製品を学ぶことができるのは、社員を育てたいという会社の意思の表れだ。」

どちらでも言おうと思えば言えます。
実際は、Aさんの意見のほうが、色々脚色されて、「あの会社はヤバい」といううわさ話として流れていきます。
悪口のほうが、楽しいので噂として広がりやすいからです。

しかし、この程度の少ない情報では何も評価できません(評価しなければいけないときもあります。ただしそれは経験を積んだあとの話です)。

私たちに、必要なのは安易に評価することではなく、

@の例であれば、その不良品について、
不良の程度はどの程度なのか、不良品の量は常識の範囲か、不良品が生まれた背景は何なのか、それを公表し改善する姿勢は誠意があるものなのか、他の企業も同様の不良品がないのか、同業他社に比べて品質管理が劣っているということか、

Aの研修は、
その厳しい研修の意図は何なのか、ノルマ達成率は例年どれくらいか、研修の成果は現れているのか、研修を経た社員の満足度はどうか、それに不満を言う社員は成果が出ずに会社全体に不満を持っているだけではないのか、満足している社員はたまたま成果を出しているだけではないのか、

もちろん、忙しいでしょうし、それらすべてを調べることはできません。
ただし必要なのは、それらを知らなければ、企業の体質が「いい/わるい」の判断ができない、という知的な節度ある態度です。

事実を集めれば、だいたい適切な判断ができます。
事実は、ほとんど公表されています。誰でも入手できる情報で、じゅうぶん判断できます。
さらにわからないことは、企業に電話すれば、必要なことは教えてくれます。

誰かの、それも匿名の誰かの意見で、人生を決めていいわけありません。

外務省のスゴ腕分析官、佐藤優さんが、秘密情報の98%は、公開情報を整理することで得られると言っています。
国運を左右するような国際交渉の最前線にいる人ですら、公開情報が最大の情報源であると言っています。
企業の分析は、それよりはるかにやさしいはずです。

不安なときは、どうしても噂を頼ってしまいます。だから流行します。
「あくまで噂だから」と自分の中で整理したつもりであっても、知らず知らずに、その噂に縛られている経験はあるでしょう。
噂よりも、まっすぐに事実を見る勇気を持ってください。


企業ももちろんそういう人物を求めています。
「噂では、、、ネットでは、、、、」と噂に左右される人は、信頼されません。

言い換えれば、事実を集める努力ができない人、それを自分で分析する力がない人を、企業は信用しないということです。


posted by career2.0 at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 就職・転職一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月29日

入社時の「保証人」とは?

Q.内定を頂いたのですが、今後提出する書類の中に身元保証人の書類があります。
保証人というのは必要でしょうか?
また、それがなければどうなりますか?



A.まず、「保証人」と言えば、借金をするときのネガティブなイメージがあると思いますので、
気持ちの上では抵抗があると思います。
また、そういう会社も最近減ってきていますね。

ただ、これは「身元保証人」であり、借金の「連帯保証人」とは違います。
責任は借金よりも緩やかなものだと思ってください。

以下、ポイントをまとめます。

1.保証人とは、従業員が不正行為を行って、会社に大きな損害を与えた場合に、
その責任を一部負うというものです。
「社員の成績が悪い場合」ということではなく(それは会社と社員の問題なので、保証人は関係ありません)、
社員が横領や窃盗、背任などの大きな不正行為を行った場合の責任分担を想定しています。

2.借金の時の「連帯保証人」とは違います。
期限(最長5年)もありますし、実際に何かあれば、すぐに保証人に責任が及ぶと言うものではありません。
保証人に何かを請求する場合は、いくつかの規定がありますので、
よほどの犯罪行為ではない限り、身元保証人に責任が及ぶことはありません。

3.会社が、採用する社員に保障人を要求するのは、法律上も認められています。
特に現金や貴重品を扱う商売の場合、保証人がいてほしいという会社の気持ちもわかります。

ただし、保証人の有無によって、採用や人事で差別することは許されません。

最初から募集要項に「保証人必須」と書いていたのであれば別ですが、
面接や内定、入社の段階で、突然「保証人をたてられないから採用取り消し」といった勝手な変更は会社には許されません。

posted by career2.0 at 04:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 就職・転職一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月25日

履歴書持参・手渡しのマナー

Q.履歴書や職務経歴書を、「面接当日持参して下さい」と言われることがあります。
その際に、どのような形で持っていき、渡せばいいのでしょうか?
封筒に入れて宛名を書きますか?


A.たしかに悩みますね。
応募書類を持参するマナーについて、ご説明します。

@面接で持参する場合

■ルール
・一般的なマナーとして、書類をそのまま渡すのは失礼です
・クリアファイルか、封筒に入れて渡します。
・ただ、郵送する際には必須の「送付状」は必要ありません。

■形態
・応募書類は、可能であればまとめてクリップでとめます。
・クリアファイルの場合は、そのまま渡します。
・封筒の場合は、A4サイズの封筒で、書類を折らずに入れられるようにします。
・封筒は封をしなくてかまいません。
・封筒に宛名等は書かなくて結構です。
  ※封をして、宛名を書いてあっても、もちろん問題はありません。
   ただ、先方が開封する手間を考えれば、封をしないほうが親切でしょう。

■渡すとき
・書類を相手が読む向きにして渡します。
 相手が持って、上下さかさまになっていないように、ということです。
 ハサミやペンを相手に渡すとき、先を自分の方に向けて渡しますよね。
 それと同じで、ちょっとしたマナーです。
・渡すとき「よろしくお願いします」と言いましょう。

A説明会などで、大人数が一度に提出する場合
・応募書類は、可能であればまとめてクリップでとめます。
・封筒に入れ、封をします
・封筒の表には、宛先の「企業名(住所は不要です)+御中」、赤字で「応募書類在中」と書きます
・封筒の裏には、自分の住所、氏名、学生の場合は学校名を書きます

posted by career2.0 at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 就職・転職一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

会社訪問の基本マナー10項目

会社に訪問するときの、行ってから帰るまでの基本マナーを、0〜9の10項目にまとめました。これは、就職・転職に限った話ではありません。どんな会社でも、礼儀正しい客は歓迎されます。

ここでは面接以外でのマナーも書いています。
就職活動では、会社全体に自分を売り込むことです。面接官以外の社員も自分を見て評価していると思いましょう。面接以外の場で(例えば待合室などで)急にマナーの悪くなる人は、人事の耳に入りますし、そういう人は採用されないと思ったほうがいいでしょう。

0.絶対遅刻しない


遅刻は絶対にしない。
「敬語を間違えた」とか「お辞儀の仕方が下手だ」「スーツがシワっぽい」なんてレベルの話は、たいしたことではありません。他のことでいくらでもカバーできます。
面接官があなたに対して本当に誠実さや優秀さを感じたら、細かいマナーは評価に影響しません。(もちろん新卒や若手の場合の話です)

でも、遅刻だけは挽回できないミスです。
それだけを理由に落ちたとしても、文句が言えません。もちろん会社によりますが、会社には遅刻を嫌う人が多くいます。「時間にルーズな人間は、仕事ができない」という感覚は広く共有されています。
就職・転職に限らず、時間にルーズな人間と思われるのは、これからどんな場面でも、大きなハンデを背負うことになります。

事故や渋滞などで15分くらい遅れることはよくあります。大きなビルであれば、裏から表にまわるのに5分くらいかかることもあります。
絶対に20分前までには会社のある場所に着くように移動しましょう。

その予定で移動しておけば、万が一、遅刻してしまう場合にも早めに連絡ができます。
できれば、もっと前に会社の近くに着いて、会社の場所を確認して、近くでコーヒーでも飲み、腕や肩をマッサージでもしながらリラックスしましょう。
夏場は汗をかきます。汗だくで面接室に入るのは失礼ですので、身体をじゅうぶん落ち着かせてから行きましょう。


1.会社の近所には会社の人がいる

早めに着いて、会社の近所のカフェなどで休憩するのは良いと思いますが、そこにはその会社の社員がいる可能性もあります。
あまりにルーズな姿勢でくつろいでいたり、頭の悪そうなコミック雑誌を読むのは避けましょう。

近くのコンビニで時間つぶしに立ち読みしている場合も同じです。男性は間違っても、グラビア雑誌などを立ち読みしないようにしましょう。
入ったときに、「あの人、さっきコンビニでずっとグラビアみてた人だ」と思い出されるのも、恥ずかしいどころか、採用にとっていいことはありません。


2.建物に入る前に

□ 携帯電話は、必ず電源を切る(マナーモードもやめましょう)
□ 冬場のばあい、建物に入る前にコートを脱ぐ。
□ 夏場のばあい、建物に入る前に汗をじゅうぶん拭きましょう。
□ 男性は、ネクタイがゆるんでいないか、もう一度確認します。
□ 女性は髪やメイクをもう一度確認しましょう。風が強い日、髪がはねてる人がいます。
□ ジャケットのボタンはしめておきましょう。
   ・2つボタンのジャケットであれば、上側をしめる。
   ・3つボタンであれば、1番上と2番目を閉める。2番目だけしめてもOK。


3.受付で挨拶

・受付があれば受付に行く。
・受付のない会社であれば、たいてい内線用の電話やベルが置いてあるので、使う。
・それも見つからなければ、入って一番近くにいる人に、「お忙しいところすみません」と先に言う。

いずれも、

「こんにちは/おはようございます。(お辞儀する)
○○大学の○○と申します。○○部の○○様と●時の面接のお約束で参りました。」

と大きな声で、告げましょう。
中途採用の場合は、自分の所属する会社名は言わず、名前だけを言いましょう。

相手がわからない場合は「○○様」は省略して下さい。
後は部屋に案内されると思います。


4.待つとき

「ちょっとそこで待っていて下さい」、と言われることもあります。
その際は、「はい」と明るく笑顔で答えて、姿勢よく立っていましょう。座る場合も同じです。

細かい身だしなみよりも、姿勢と表情がその人の印象をつくります。

そして、待っているあいだも、会社はあなたを見ています。
待っているあいだ、置いてある雑誌を読んだり、持参のお茶を飲んだり、メイクを直したり、携帯でメールを打ったりしないように。
(既に携帯の電源は切っているはずです)



5.社員とすれちがう時

例えば、廊下でそこの会社の社員とすれ違う場合がありますよね。
あまり頻繁にすれ違うのであれば、難しいでしょうが、できれば「こんにちは」と挨拶しましょう。

「その人が、実は面接官かもしれない」、という理由ではありません。
もちろんその可能性もありますが、面接官ではなく、会社全体にあなたを売り込むのが、就職/転職です。
「面接で来ていたあの人、他の人にも挨拶してて、いい人そうだね」という噂が人事に届けば、と思うと、挨拶も楽です。

挨拶して得することはあっても、損することはありません。得することはやるしかないのです。
いい営業マンは、客先の会社にいったときに、自然とそういうことをしています。


6.部屋に入り、面接官と挨拶

1.部屋に先に通されて、後から面接官が来る場合

面接官がノックしたら「はい」と答えて、まず立ち上がります。
ドアが開いている場合は面接官が見えたら立ち上がります。

面接官が部屋に入ってきたら、
「こんにちは/おはようございます。(お辞儀する)○○大学の○○と申します。」
と言います。

2.面接官がすでにいる部屋に通される場合

部屋の前まで通されて、どうぞお入り下さいといわれる場合があります。
・その場合、ドアを「コン、コン」と2回ノックしましょう。
・おそらく「どうぞ」と声が聞こえますが、あまり聞こえなくても、ドアを開け中に入ります。
・入るときに「失礼します」と言います。
・入ったらドアを閉め、その場で「こんにちは/おはようございます。(お辞儀する)○○大学の○○と申します」と言います。

どちらも、「おかけ下さい」と言われるまで立っています。

言われたら「はい、失礼します」と言って座ります。
座ったら面接開始です。


7.面接中

お茶が出てきて、喉がかわいているなら飲みましょう。
飲んだほうが話しやすいです。決して失礼ではありません。
その場合、「お茶いただきます」と一言添えれば、じゅうぶんです。
お茶やコーヒーは飲むために出しているのであって、飲まないかどうかを試すために出しているのではありません。

面接中、なにはともあれ「いい姿勢」と「笑顔」だけは常に注意しましょう。
詳しくはこちらの記事「いい印象」をつくる6項目を参考にして下さい。


8.終わり

「これで面接を終ります」となったら。
「はい、お忙しいところ、ありがとうございました」と元気に言って、お辞儀し、立ち上がります。

1.面接官が立って送ってくれる場合
面接官に従いましょう。

会社の玄関などで、面接官が「じゃ、こちらで失礼します」と言ったら、
立ち止まって面接官のほうを向き、もう一度「お忙しいところ、ありがとうございました」と深くお辞儀して、すばやく会社を後にします。

2.面接官が立たない場合
・「本日はありがとうございました」と言ってお辞儀して立ち上がります。
・ドアまで行き、もう一度振り返って面接官に「ありがとうございました」とお辞儀し、「失礼します」と言って、ドアから出ます。
・ドアは静かに閉めます。

どちらも、廊下などで、誰かにすれ違う場合は、会釈します。
そのまま会社から帰っていい場合は、受付の人にも「失礼します」と言って、すばやく会社を後にします。

9.会社を出る

コートを持っている場合、会社を出るまでコートを着ません。
会社を出たら着ましょう。


最初の話に戻りますが、近所で休んでいると、会社の人に会うこともあるので、
早く会社から離れましょう。


以上10項目。わかりましたか?
いろいろ書いてあるので、慣れない方は迷うと思います。

まずは、
・遅刻しないこと。
・姿勢と表情に気をつけ、はっきり挨拶すること。
・座れと言われるまで座らないこと。

それくらいからはじめてみましょう。そのうち慣れると思います。
不明な点は、遠慮なくご質問下さい。
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2007年09月13日

内定辞退の方法 A 〜どう伝えるか

当ブログ内でも、「内定辞退の方法」は、アクセスの多い記事です。

それだけ、悩ましい問題なのだと思います。

就職の企業選びは一生の問題ですから、納得できるまで悩むべきですし、悩みぬいた結果、内定を辞退することも仕方ないことだと思います。

ただし、相手の企業はもちろんいい思いはしませんから、礼をつくして、ていねいに断りましょう。

そういうことを書きました。

その後、
「じゃあ具体的にどうやって言えばいいのか」
「電話がいいと書いているがメールや手紙ではダメなのか?」

といったお問い合わせをいくつか頂きました。
具体的な方法をお答えしたいと思います。

@「電話で伝える場合」

「内定辞退を決めたら、まずは、電話で一報を伝えるべき」と、前回の記事で書きました。

電話は緊張しますが、書類だけで済ますべきではない事柄なので、勇気を出して電話しましょう。

電話で伝えるばあい、静かな場所で、あせらず、ゆっくり話しましょう。そのためにも、手元に台本を置いて話すことをおすすめします。

(例)
○○大学の●●です。
先日は内定を頂き、ありがとうございました。

色々と検討しまして、大変非常識なことで、本当に申し訳ないのですが、
今回、御社の内定を辞退させていただきたいと思い、お電話いたしました。

(理由などを質問される可能性があります。その説明は用意しておきましょう。その説明の間にも、「非常識ではありますが」と挟んで、お詫びの気持ちを出しましょう)

大変申し訳ございませんでした。


こうやって、お詫びの気持ちを繰り返し伝えましょう。
ポイントは、ひたすら繰り返し詫びることです。そこまで謝られたら、あまりキツいことも言えないな、と思うくらい詫びることです。

謝罪の目的は「謝罪の言葉を伝える」のではなく「必死に謝ろうとしている姿勢を伝える」ことにあります。この微妙な違いを取り違えると、火に油を注ぐようなことになります。

その後「内定辞退の書類を送ってほしい」など相手の指示があると思いますので、従いましょう。


A「手紙を送る場合」

手紙の場合は、到着までに日数がかかりますので、あまりおすすめできません。まず電話で伝えて、その後書類を送るのがよいでしょう。

例えば会社を辞める時、テレビドラマの一シーンのように「いきなり辞表を叩きつける」ような場面はめったにありませんし、それはマナー違反です。まずは、上司に直接会って、その意志を伝えます。そのあとで辞表を正式に提出するという流れが、常識的とされています。

一般にビジネスの世界で、目上の人に対していきなり書類を送りつけるのはマナー違反です。「こういう事情でこういう書類を送ります」と事前に口頭で説明するのが、マナーです。

理不尽、回りくどい、面倒と感じるかもしれませんが、仕事では必ずそのほうがスムーズに進みます。
こういう細かいことを誠実にできる人を、仕事ができる人、といいます。

就職活動では、細かい敬語などを覚えるよりも、できるだけビジネス界の基本ルールを知ってほしいと思います。企業側の常識を知ることで、企業とのやり取りがスムーズにいきますし、入社後も早く一人前になれるでしょう。

内定辞退も、企業側の常識的なルールにあわせて、書面をいきなり送りつけるのは避けましょう。

実際の文書の書き方ですが、宛名等の書き方は、別記事「書類送付状の書き方」に書いている例を参考にして下さい。同じで構いません。

文章は、あまり長くなっても読むほうが面倒ですし、短かすぎると誠意が伝わりません。ちょうどよい分量が重要です。

(例文)
拝啓 貴社益々ご清祥のことと、お慶び申し上げます。
このたびは、貴社の採用内定を頂戴し、誠にありがとうございました。

私にとっては大変光栄な話でしたが、悩んだ結果、○○と考え、大変非常識ではございますが、今回の内定については辞退させて頂きたいと考えております。

貴社の皆様には、お時間を割いて選考をして頂いたのに、期待に応えられず、誠に申し訳ありません。
誠に無礼とは存じますが、どうかご容赦頂ければと存じます。

今後とも、貴社のご発展を、心よりお祈り申し上げております。

                              敬具


○○の理由の部分は、「〜の業界で働きたいという思いがどうしても強く」とか、「別の分野で自分を成長させたいと考え」など、具体的な企業名を出す必要はありません。どうしても言いたくなければ、「一身上の都合により」でも構いません。

いずれにせよ、相手が感情的にならないように、きちんと誠意を持ってお詫びすることが重要です。
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2007年09月12日

面接で緊張してしまう人へ

Q.就職活動中の大学生です。
面接では、どうしても緊張してしまい、きちんと考えて話すことができません。
あとから振り返ると、言うことを間違えたり、もっと言うべきことがたくさんあったり、
毎回後悔しています。
緊張しないで済む方法はありませんか?


A.面接ひとつで自分の人生が変わってしまいますから、とうぜん緊張するでしょう。
もし緊張しない人がいれば教えてもらいたいものです。
私は今でも面接官のとき、緊張して声が裏返ってしまいます。

緊張しない人はいません。あなたは当然の反応をしているだけです。
あなただけではなく、同じように周囲の人も緊張しているのですから、
まずは条件は同じだと思ってください。

ただ、少しだけでも緊張をほぐすことができれば、気分は大きく違いますよね。

面接は、スポーツや楽器の演奏だと思ってください。

個人差はありますが、誰でも、
「たくさん練習したらしただけ、落ち着いて、ミスしなくなる」ということだけは、まぎれもない真実です。

その前提で、役に立つかわかりませんが、3つ、アドバイスをさせてもらいます。


1.とにかく面接をたくさんやる。

「慣れる」以外に、緊張をほぐす決定的な方法はありません。
慣れるためには、たくさん経験するしかありません。

そのためには、たくさん企業を受ける。
いきたいと思っている企業が、10社あれば、最低でも30社は受けましょう。


企業側にとっては、志望していないのに練習台として受けられるのは不本意ですが、
学生側から言えば、絶対に必要な経験です。

最初の面接から、言いたいことをスラスラ言える学生さんはいません。
どれだけ「話し上手」と言われる人でも、それだけは真実です。

その意味で、むしろ「話すのが上手だ」と自信を持っている学生さんのほうが、心配です。

誰でも、何度目かで、「なんとなく、話せるようになってきた」という感覚がでてきます。

だから、第一志望の企業は、できるだけ最後のほうに面接するようにしましょう。

そうはいっても、志望している企業の採用スケジュールが早い、
という場合は、志望していない他業種でもどこでもいいから、事前に面接を受けましょう。


その会社に、入る気がなくても、面接の経験は貴重です。
志望動機などは、平凡なものでかまいませんので、
きちんと面接の場でうまく話せるようにするためには、練習として必須の経験です。

面接を受けるのはタダです。
(交通費や履歴書の郵送代がいるかもしれませんが)

タダで、面接を経験できるのですから、こんなにお得な授業はありません。

プロの役者が、映画のワンカットのために、何時間練習しているか?
プロのスポーツ選手が、一瞬のプレーのために、何年練習しているか?


そう考えると、練習していなければ、「緊張する」「ミスしてしまう」のは当然です。

才能や性格の問題にするのではなく、練習の量の問題なのです。


2.面接に代わるもの

部活もゼミもバイトもあり、時間は無限にあるわけではありません。

スケジュールの関係で、たくさん企業をうけるわけにはいかない、
という場合は空いた時間で、できるだけたくさんそれに近い経験をしましょう。

●模擬面接

これが一番いいですね。私もよく依頼されて面接官役をやります。
このブログの読者の方とも、たくさん模擬面接やカウンセリングをやりました。

学校の就職課でも、やっていますよね。
そういうことをやってくれる人がいれば、ぜひ頼んでみましょう。

そして、必ず「なにがよかったか?」「何がよくないか?」「姿勢・表情はよかったか?」
とフィードバックを求めましょう。


他人の視点で見てもらうことが重要です。
自分でいくら鏡をみても、見ているのは自分です。
あなたを評価するのは他人です。



●OB訪問

学生生活をするなかで、「社会人と話をする」という経験じたいが、そもそも少ないですよね。

スーツを着た中年の人と話をするだけでも緊張するものです。

だから、まずはできるだけたくさん社会人と話しましょう。

OB訪問は、基本的には親しい先輩からはじめるべきですが、
「面接慣れ」するためには、あまり親しくない人とも多く話すことがいいでしょう。

親しい先輩に、「色々仕事について聞ける人を紹介してください」といえば、たいてい紹介してくれます。

知らない社会人と話すことで、緊張することに慣れましょう。
その緊張のなかでも、自分の考えをはっきり相手に伝える経験を積みましょう。



3.記録をとれ

とにかく就職活動中はメモ・記録をとりましょう。

いきなり慣れないことをはじめるわけですから、また、いくつかの企業の就職活動を同時並行で進めるわけですから、頭の中が整理できないのは当然です。

記憶に頼らず、文字にすることで、
あとから正確に振り返り、反省できます。

反省することで改善・成長し、自信がうまれます。
緊張をほぐすためには、自分を知ると生まれる、自信が必要なのです。

反省のないところに、成長はないし、自信もうまれません。



以前、「就職活動ノートをつくろう」、と書きました。

記憶は少しずつ消えていきますし、嘘をつきます。

正確に思い出すために、面接のたびに記録しましょう。

1「どんな質問に」
2「どう答えたか」


の2つだけでかまいません。

時間がたつと、だいたいの内容は覚えていますが、どんな表現をしたか、覚えていないものです。

面接では、内容だけではなく、どういう言葉・文書でそれを言ったのかも重要です。

記録がなければ、振り返って反省し、改善することができません。
やりっぱなしではなく、記録する。

会社に入ったあとでも、とても重要な習慣です。


以上、色々と書きました。
緊張をうまくコントロールする方法は、根本的にはありません。

新人のデビュー戦で活躍するスポーツ選手がいますよね。
才能や性格が天才的だから、デビューから活躍できるのでしょうか?

彼らは、学生時代から数多くの試合を経験し、失敗を重ね、反省し、気が遠くなるほど練習を繰り返し、自信をつけてきたからこそ、現在は緊張をコントロールできているのです。

そこには緊張をコントロールする方法論があるのではなく、まずは「経験した量」がモノをいうのです。


就職活動においては、あなたはそのスポーツ選手のデビューと同じです。
才能とか、性格のせいにするのは、現実逃避です。

実践→反省→練習→実践

このサイクルをどれだけ多く繰り返したかが、問われています。
どんな人でも、このサイクルは回せますし、その結果、かならず成長します。

毎回、反省をすれば、量がかならず質を生むということです。

面接はやればやるほど、緊張が自信にかわっていくのは、面白いものです。

30回ほど面接をすれば、ほとんどの人は、最初の面接の2倍は上手になっています。

要は、就職活動の早い段階で、30回、やるかどうかなのです。

家で1人で自己分析を繰り返すのではなく、外で、人と会いましょう。
就職活動は、実践の中でしか見えないものが多くあります。


楽しみながら、自信をつけていきましょう。
posted by career2.0 at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 就職活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月11日

履歴書・職務経歴書のQ&A

履歴書や職務経歴書のよくある質問への回答をまとめました。

書類作成は、「ビジネス文書」としての一般的なルールに従うべきだと思います。

読む側が日常的に従っているルールに合わせるべきであり、
ビジネス上非常識であれば、応募書類でも非常識ということです。

したがって、入社後も書類づくりの基本的な考え方はこれと同じです。
多くの職種で、文書の作成はとても大事な仕事ですので知っておきましょう。


Q1.市販の履歴書ではなく自作のものでいいですか?

A1.問題ありません。
 まず市販のものと同じ程度、氏名、住所、電話番号、Eメールと学歴、職歴、資格の情報が入っていれば構いません。


Q2.手書きではなく、PCで作成してもいいですか?

A2.構いません。
 手書きのほうが評価が高いという企業は、まずありません。
 現在、ビジネス文書でも手書きのものを見ることはありません。
 それと同様に、応募書類も一つのビジネス文書として、PC作成で問題ありません。
 読みづらい字の手書きは最も敬遠されます。

 ※PCの場合も、自分の氏名だけは手書きで署名し、きちんと全て押印しましょう。
 これが一番おすすめです。


Q3.書くための筆記用具は何がいいですか?

A3.手書きであれば、黒のボールペンを使いましょう。
  PCで作成するなら、もちろん黒のインクで出力しましょう。


Q4.間違えた場合はどうすればいいのですか?

A4.手書きの場合、基本的には再度書き直します。
 ビジネスの世界で、書き損じが許されないような書類の場合は、
 (相手が押印したあとの契約書など)訂正印を押すなどのルールがありますが、
 あくまでそれは、再度作成できない文書だからです。
 
 もう一度書き直せるのであれば、再度書き直します。
 修正ペンや訂正印などを使った場合は「手を抜いている」と思う人がいます。
 
 色々考えるとPCで作成したほうが、時間を大きく節約できます。


Q5.用紙サイズは?

A5.市販のものであればなんでもいいですが、
 自分で作成する場合は、A4サイズにしましょう。
 
 現在、ほとんどの企業でビジネス文書はA4サイズで作られています。
  履歴書だけ、B5サイズが混ざっていて、管理は面倒です。
 サイズが違うと、企業側がファイリングするのに、手間がかかります。
 企業はA4のほうがありがたいです。


Q6.紙は何を使うか?

A6.オフィスのコピー用紙と同じで構いません。
  ちょっと凝るならもう少し厚い上質紙を使えばいいと思いますが、
  基本的には、ビジネス文書と同じ、オフィス用のコピー用紙で構いません。
  コンビニで売っているような紙ですし、コピー機の中に入っている紙です。


Q7.手書き書類をコピーして使っていいか?

A7.NGです。
  手書きの場合は、一通一通作成しましょう。大変です。
  
  だからPCで作成したほうがいいですが、
  つい10年前まで、学生さんは各社に一通一通、履歴書を手書きで作成して送っていました。
  50社受けるとすれば、気が遠くなるでしょう(笑)?


Q8.送るときはどういう封筒で送るのか?

A8.何でもいいですが、一番いいのは、A4サイズがそのまま入る封筒です。
 応募書類と送付状をクリップで一つにとめて、
 クリアファイルに入れたものを封筒に入れて送れば最高です。


Q9.送付状をつける必要がありますか?その内容はどういうものがよいですか?

A9.書類を郵送する時、送付状をつけるのがビジネスの世界では当然とされています。
 何を送っているのかを簡単に説明する目的の文書です。
 内容は、こちらの記事をご覧下さい。


Q10.元号と西暦どちらがよいですか?

A10.どちらでもいいですが、選ぶなら西暦です。
  ふつう40歳未満の人は、元号で言われた場合、年のイメージが沸きません。
  ビジネス文書でも、役所と取引するとき以外は、
  ほぼ西暦で作成しますので、読む側もそちらのほうが、なじみがあります。


Q11.学校名・社名が途中で変わった場合はどう書けばいいですか?

A11.「●●株式会社(現:△△株式会社)に入社」
 と書けばいいでしょう。
 当時の社名と現在の社名を両方明記して、相手にわかりやすいようにしましょう。

 さらに言えば、
 「●●株式会社(05年、△△株式会社と合併し、現在は□□株式会社)に入社」
 などと社名が変わった経緯を書けば、親切ですね。


Q12.「その他特記事項」には何を書けばいいのですか?

A12.特別言うことがなければ、何も書かなくてよいです。
  全てのマスを埋める必要はありません。
  読むほうも、必要なことだけ読みたいわけです。


Q13.「賞罰」の欄には、なにを書けばいいのですか?

A13.賞は何かの賞の受賞経験、全国大会などのレベルですので、
 ほとんどの人は書けません。
 罰は刑事罰を書きましょう。交通違反程度であれば書かなくて結構です。
 基本は「なし」です。


Q14.履歴書の写真は写真屋で撮影するべきですか?

A14.駅前にあるスピード証明写真でけっこうです。
 就職活動は写真屋や伊勢丹などデパートで撮影するべきだ、という人もいます。
 企業はそもそも顔で人を選ぶことはありません。時間とお金の無駄です。
 (テレビ局のアナウンサーなど、容姿が重要な仕事は別ですが)
 撮影のときは、面接用のスーツを着て、口角をあげて、明るい笑顔になるようにしましょう。
 それだけで十分です。


Q15.社名や学校名は長い場合、省略してもかまいませんか?

A15.原則、省略してはいけません。
 (株)や(財)なども、「株式会社」、「財団法人」と略さずに、正式な名称を書きましょう。
 ただし、国立大学については、「国立大学法人大阪大学」としなくても、「大阪大学」だけで十分です。
 私立も大学名だけで大丈夫です。


以上、よく頂く質問を、まとめています。
他にも質問があればドシドシお寄せ下さい。
posted by career2.0 at 03:21| Comment(3) | TrackBack(0) | 就職・転職一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

就職のための「有報」の読み方A〜役員

どんな役員がいるのか?

前の記事(有報の読み方@)では、社員の情報から企業文化を読み解こうとしました。

今回は役員です。

有価証券報告書には、役員についても書かれています。
役員は、会社の経営陣です。
(役員の肩書きについては過去記事参照)

どのような人たちが経営しているのか知ることで、
会社の性格をつかみ、あなたのキャリアを想像してみましょう。



第4 「5 役員の状況」をみてみましょう。

ここでは、「役名」「職名」「氏名」「生年月日」「略歴」「任期」「所有株式数」
が、記載されています。


●ファミリー企業か?

まず、氏名をざっとみて、同じ名字の人がどれだけいるか見ましょう。

そして、余裕があれば、右端に書いてある、その人たちの持っている株式数もみましょう。
「第4 1株式等の状況 (5)大株主の状況」に大株主が記載されています。
役員、大株主の多くが同姓のファミリーであれば、それは明確にファミリー企業です。

同族経営をしている、いわゆるファミリー企業であれば、必然的に同姓の役員が多くなります。
一般的に、彼らが大株主でもあります。


上場企業にも、いわゆるファミリー企業はたくさんあります。

昨今、ファミリー企業の不祥事が話題になっているので、叩かれやすい存在ですが、
ファミリー企業が一概に悪いとは言えません。

ファミリーで強い価値観を守って、短期的な利益に一喜一憂することなく、長期的視野にたった投資ができます、
数年で交代するサラリーマン社長は、やはり短期の業績が必要ですし、ミスが怖い。
そういう短期の評価を気にしない、企業文化を大事にした経営ができるという、よい側面は、見落としてはいけません。

武田薬品、サントリー、大正製薬、村田製作所、堀場製作所等々、エクセレントなファミリー企業は日本に多数あります。
もちろん欧米にも多数あります。
トヨタも、豊田家を大事にしていますね。

ただ、そういう場合、あなたが入社した際に社長になれる可能性は、低くなります。
そこまで目指していなければ、大きな問題ではありません。

ファミリー企業であるということは、メリット・デメリットを含めて、認識した上で、入社することが大切です。


●年齢

若さは重要です。
若気の至りもありますが、若くなければできないことはたくさんあります。大きな社内改革は、若い風が必須です。

役員がだいたい50代後半より年上なのであれば、やはり年功序列の強い会社だと思います。
やはり若いうちに大きな仕事を任されることは難しいカルチャーだと思っていでしょう。

最近は古い大企業も、若手役員を任命しています。
やはり、このままではダメだ、という危機感の表れでしょう。

会社の人事制度、若手の登用の度合いを一部はかることができます。


●キャリア

役員の略歴があります。
ここではいくつかの会社の事情が明らかになります。

1.外の血を大切にしているか?

新卒で入社した人だけが役員になっている会社があります。
その場合、いくら中途採用をしていても、本質的にはプロパー社員がかわいい、
中途入社組は外様扱いされているというカルチャーがあると思います。
中途で入社を考えているのであれば、そこはチェックする必要があるところでしょう。

2.親会社、大株主の影響力はどうか?

役員の全てや大部分が、その会社の人ではなく、親会社出身者である可能性があります。
親会社の支配力が強い会社です。
その場合、どうしても子会社に入社した社員が役員になる道は険しいでしょう。

3.メインバンクはどこか?

銀行出身者が役員や監査役に入っている場合があります。
過去ずっとその銀行出身者が役員に入っているのであれば、メインバンクとその影響力が分かります。
管理系部門への入社を検討しているのであれば、チェックする箇所です。

4.出世コースはどこか?

役員の出身部門をみるとわかります。
技術系なのか、営業系なのか、メーカーの場合はその二つは大きな
過去の有報から歴代の社長などをみていると、ずっと似たようなキャリアを辿っている場合があります。
それが出世コースと言うことで、若手の優秀な人間(幹部候補)をどのようなコースで育てていくのか、示していると思います。
逆に、冷遇されている部門もあるでしょう。

各部門の存在感・発言力が役員のキャリアから、かいま見えます。

5.役員の任期は?

役員任期があまりに長い場合は、組織が硬直化して、若手に息苦しさを与えている可能性もあります。
逆に短期的な業績に右往左往せずに、企業を育てようという意志が強い場合もあります。

例えば親会社から社長が来ていて2年ごとに変わるような場合は、
短期的な業績志向が強く、短期で目に見える成果は出ないが、長期的な成長のための投資がしづらい可能性があります。

どんな情報でも、いい面と悪い面があります。
最終的には、聞いて、見て確認をするしかありませんが、
有報からある程度、企業文化の可能性を読み取ることもできます。



posted by career2.0 at 02:34| Comment(0) | TrackBack(1) | 会社のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

就職のための「有報」の読み方@〜平均年収など

「有価証券報告書」は、上場企業が毎年発行している、会社の状況や業績など色々な情報が書かれている診断書のようなものです。
誰でも自由に読むことができます。

あなたの志望している会社が上場企業であれば、必ず「有価証券報告書」を読みましょう。
強くお勧めします。


おカタい感じの文書なので、とっつきづらいですが、
読むべきポイントだけを絞って読めば、けっこう色々な発見がありますよ。

まず、「上場企業」とは、いくつかある証券市場で、発行した株式が取引されている企業のことです。
そのためには、企業の審査があり、売上・利益・社内体制などが一定以上のレベルの企業しか上場できません。

その会社が上場しているかどうかがわからなければ、
ヤフーファイナンスで企業名を入力・検索して、企業名が出てくれば上場しています。
http://quote.yahoo.co.jp/

有価証券報告書(以下、「有報」とします)は、企業にとって健康診断書のようなもの。

法律で公開することが義務付けられており、もちろん嘘をついてはいけません。
虚偽記載の事件が時々ありますが、基本的に嘘はないと思ってかまいません。

会社のパンフレットは、たいてい「バラ色」に書いてあります。
当然ですが、いいところだけを書いてあります。
しかし、有報は嘘をつきません。

だから、企業の実態が最もよくわかる資料の一つです。
会社に投資する人々、たとえば投資家、ファンドマネージャーなどは、必ず有報を読みます。
そこから、会社の現在の状態、今後の成長などを読み解くのです。

もちろん就職において、投資家とは見るべきポイントが大きく異なると思います。
ただし、就職する、ということはやはりその会社に、ある種投資するということです。

業績がどんどん悪くなってきている会社に、入社したくはないでしょう?

会社が何を考えて、どういう業績を出しているのか、知るには有報は非常に重要なツールです。


□有報のありか

まず、有報を見る方法をお伝えします。

金融庁のEDINETというホームページで、すべての上場企業の有報を見ることができます。
早速、気になる会社の有報を開いてみて下さい。

http://info.edinet-fsa.go.jp/

このページで、「有価証券報告書等の閲覧」を選んでログインし、
「内国会社」をチェックして、あとは企業名から検索しましょう。
色々と会社が出している資料がありますが、まずは直近の「有価証券報告書」を読みましょう。


□就職(転職)活動で、どこを見るか?

以前、「離職率を知るには」という記事で、有報の見方を一部書きました。


有価証券報告書には、就職の判断に直結する内容も書かれています。

まずは、<第一部 第1 5「従業員の状況」>をごらん下さい。
これは各社の従業員の情報を記しています。役員は含まれません。

「(1)連結会社における状況」

※この項目がない会社もあります。

これは、どの事業に、何人が従事しているのか、わかります。

注意すべきは、「連結会社」という用語で、これは、「子会社も含めて」ということです。
有報は、基本的に、子会社を含めた企業グループ全体を一つの組織として考えています。「連結」とあるのはそういう意味です。

会社パンフレットには、会社の事業として色々なことが書いてあると思います。
とくに、地味な事業よりも、学生受けする人気の事業を前面にだして採用活動をします。
古いタイプの印刷会社が、IT事業を前面にPRしている場合など。

ただ、それだけでは、その事業の本当の位置づけがわかりません。

事業ごとの業績と、人の数を見ることで、その事業が、会社のなかでどれくらいの存在感があるのかわかります。
(業績については今後ご説明します)

「(2)提出会社における状況」

これは非常に重要ですね。
ここには、「従業員数」、「平均年齢」、「平均勤続年数」、「平均年間給与」
が記載されています。


「平均年齢」からは、会社の人数構成を推測します。

ただし、あくまで平均です。
若手からベテランまで、どれだけバラつきがあるのかはわかりません。

例えば、
・25歳が2人、55歳が2人、の会社の平均年齢は40歳です。
・40歳が4人いる会社も、平均年齢は40歳です。

そういった意味で、正確には年齢の分布はわかりませんので、注意が必要です。

ただ、他社の平均年齢と比べることで、組織の若さがイメージできると思います。

「平均勤続年数」では、離職率を推測します。

3年など、あまりに短い会社は、入った人がどんどん辞めていっているということです。
注意すべきポイントです。

「平均年間給与」は、平均年収(月給+賞与)を示しています。

就職活動で、会社が公開している「初任給」は、
「最初にもらう基本給」だけですので、
自分の生活を想像するための情報としては、はなはだ不十分です。

「平均年間給与」は手当や賞与も含めた、総支給額を平均しているので、
入社時のことはわかりませんが、
今後何年か勤めたときに、どれくらいもらえそうなのかがわかります。


これもあただ、くまで平均なので、「平均的な成績」の人がもらえる年収とは違うことを理解してください。

極端な例ですが、5人の組織で、年収250万円の人が4人、1000万円の人が1人の場合、
平均年収は、400万円になります。
その組織で普通の人は年収250万円ですよね。

平均は「普通」を表すわけではないので、注意が必要です。


また、その企業の過去の有報と比較しましょう。

推移を見ると、わかることがあります。

もし採用せず、社員が辞めなければ平均年齢が毎年1ずつ上がります。

その会社がリストラや新卒採用などで、若い層を厚くしているのであれば、平均年齢は下がります。
リストラしたのに、平均年齢が下がらないのであれば、リストラの失敗、若年層の離脱、もしくは中途採用の強化等が考えられます。

各項目の推移をみると、また、他社と比べると、このように企業の組織がどのような状況にあるのか、見えてきます。

有報は他にも見るべきポイントがたくさんあります。
今後、紹介していきます。

また、不明な点は遠慮なくご質問ください。

※関連記事:就職のための「有報」の読み方A「役員」
posted by career2.0 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 会社のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

「いい印象」をつくる6項目

【外見の細かいところを気にする前に】
スーツがグレーか紺か、男性はネクタイの柄は何がいいのか、バッグは薄いとダメか、女性は前髪は上げるか下ろすか、アイラインは、、、等々、細かい身だしなみが気になる人が多いでしょう。そういう質問もたくさんいただきます。
それらを細かく指導している雑誌や本がありますし、カウンセラーのかたもいます。

最初に申し上げますが、そんなことで面接に落ちたり通ったりしません。
そんな評価基準は、普通の会社で聞いたこともありません。基準にないのだから、気にする必要がありません。
ただ、それは、外見が評価と関係ない、と言っているのではありません。

【外見ではなく「印象」】

私たちが大事にするべきなのは、外見ではなく「印象」です。
「外見の善し悪し」は、評価基準にはありません。しかし、「印象の善し悪し」は、評価基準に入ると思ってください。

印象の一部は、外見によってつくられます。しかし、最初に書いた細かい着こなしや身だしなみは、印象とはあまり関係がありません。
私たちは、「印象をよくするための外見づくり」をしなければいけません。
つねに「きれいな外見」よりも「よい印象をあたえる」ことを心がけましょう。


【「いい印象」は努力でつくれる】

そして、印象は、努力で必ずよくすることができます。
印象は、いくつかのポイントの積み重ねで生まれます。「なんとなく」であきらめずに、具体的な改善を繰り返し、必ず好印象を与えられます。

私は、何人も学生さん/転職志望者のかたとお会いして、「外見に気をつかっているのに、印象がよくない」という人が多いことに気付きました。
つまり、その方たちは、「気をつけるポイントが間違っている」のです。
具体的にいくつかお伝えすることで、見事に印象が改善しました。他人が見れば簡単にわかることなのです。

印象をよくするポイントは多数ありますが、ここで面接に最低限必要な6項目を以下に示します。
ビジネスの場面で、「このひと印象いいな」と思われる要素です。

あとで説明しますが、印象をよくするこれらの項目は、絶対に、「他人の意見」と「慣れ」が必要です。そこを気をつけて読んで下さい。


1.表情


口角を上げておくこと。「明るく落ち着いた笑顔」をキープすること。

表情の暗い人、冷たい人、変化の激しい人(すぐ怒った顔をしたり嫌な顔をする人)は、ビジネスの現場でかなり損をしています。
本当は明るくいい人なのに、表情のせいでとっつきづらい雰囲気を与えている人は、かわいそうです。しかし、そういう人は多いです。


2.姿勢

背筋は常にピンと伸びて。必要なのは、背筋を伸ばしてあごを引くだけ。


厳しい質問をされても、自信がないことを話していても、胸を張っておくこと。
姿勢の悪い人は、自信がなく見えます。損です。


第一印象の7割は、表情と姿勢で作れます。

次に、話し方で気をつけることを少し。


3.無駄な口ぐせを削る

「えっと」、「あのー」、「えー」、こういった口ぐせを極力減らすこと。

これは何年もかけて定着したクセなので、なかなか治りません。そして、自分で気付いていません。

しかし、こういう口ぐせが多いと、伝えたいメッセージがぼやけて、相手に伝わりにくくなります。
テレビのキャスターや政治家の話しぶりを聞いてください。
高度にトレーニングされた人は、そういう口ぐせがなくなっているのです。

以下の2つの文章を口に出して読んでみて下さい。
1.「えー、私が、あの、御社の、ビジネスに、えー興味を持った理由は、えっと」
2.「私が、御社のビジネスに、興味を持った理由は」


文字にすると変ですが、多くの人が、1.のような話し方です。
こればかりは、なかなか自分では気づかないものです。


4.空白を気にしない

口ぐせを削ると、そこに間(無言の時間)ができます。
そこは心配無用。間を詰めようとせず、そのままでゆっくり間をとって話しましょう。


次の文章を考えて、文章が決まってから話しはじめてもいいのです。
2秒程度、あいだが空くと話しているほうは不安になります。でも、聞いているほうは気になりません。

みのもんたの話し方をテレビでみながらマネをしてみると、驚くほど間が多いことに気づきます。
実際に話している言葉の量が少ないのです。それでも説得力というか、相手に聞かせる力を持っています。
しっかり間をとっていて、むしろそれが説得力になっています。


5.3倍の時間をかけて話せ

とにかく3倍くらい遅く話すこと

安倍首相の最大の欠点の一つは、早口です。カツゼツが悪いのに、早く話そうとするので、内容以前に言葉が軽く聞こえました。
結果、真剣味がないように聞こえてしまい、説得力がありませんでしたね。

同じセリフでも、「3倍の時間をかけて話す」ことです。
早く話すとうまく話せたような気がしてしまいます。大きな勘違いです。

ものを買う時に、ペラペラ早口で話す人から買いますか?
ゆっくり真剣に言葉を選びながら話している人を、普通の人は信用します。
これは喋りに自信のある人、内容に自信のある人が、陥りやすいミスです。


6.ミスのリカバリー

ミスした時が大事。笑顔でゆっくり「ごめんなさい、まちがえてしまいました」と言う。ただそれだけ。

焦って「じゃなくて」とか「違くて」と軌道修正してはいけません。
イライラしたり、自分が情けなくて暗い顔をするのは避けましょう。

また、表情、姿勢も常に保っておくこと。

ミスしても冷静に訂正できることは、かなり好印象です。
精神的に落ち着いていて、自信を持っている人だと思います。


以上の6項目だけで、だいぶん印象は違います。
ただし、これらを実践するためには、絶対的に「他人の目」と「慣れ」が必要です。
口ぐせや、話す時の姿勢、表情など、ビデオで撮って見ることでもしなければ、自分で評価することは不可能です。

他人を利用して、ぜひ率直に意見を言ってもらいましょう。
私もよくそういう相談を受けますし、実際に会ってアドバイスすることもあります。他人からは簡単に気付くことでも、本人は自覚がないことが多いものです。
OB訪問をして、社会人に率直に意見を言ってもらうこともお勧めです。その際、「私の表情はどうでしたか?などと、これらの項目について具体的に聞いたほうが、相手も答えやすいです。

「なぜか印象がいい人」は確実にいますよね。逆もいます。よく理由がわからないようでも、必ず理由はあります。
その人の具体的な部分、見た目、仕草、話しかた、話した内容などで、総合的に印象がつくられています。
ですから、チェックする時(頼む時)は、できるだけ具体的に見るべき項目を示して、チェックする(してもらう)ように、したほうが、より具体的な問題点を知ることができます。

そして、こういうものは頭で理解したとしても、実践はできないものですよね。
ここでとにかく必要なのは、可能な限り、場数を踏むことです。こればかりは、絶対的に、量が質を生みます

回数を重ねることで、自然にいい印象を生むことができるようになります。自然にできれば、あとは面接の「中身」に集中できます。
本番は話す中身だけに集中したいですよね。

私は、そういうチェックを頼まれることがよくあります。このブログの読者の方からも、模擬面接的なものを頼まれ、引き受けたことが何度もあります。
話をしてみて、感じたこと、悪い印象が生まれる理由を、できるだけ明確に言葉にして伝えます。
表情、姿勢にとどまらず、声のトーンや、言葉の選び方、スピード、話す時の身振り手振りなども、具体的に問題点を指摘します。

それを理解して、注意しながら繰り返し実践すれば、必ず印象はよくなるのです。

就職の場合は、人生で初めて、自分の印象を他人に明確に評価されることになる人も多いでしょう。
就職活動は、自分の総合的な「印象」を客観的に評価する、という大きなステップです。必ずその経験は、今後の人生で役に立ちます。

大学受験は、勉強すればクリアできました。ただ面接は、勉強の結果が出るものはありません。
他人にどう思われるか、どういう印象を与えているかを、他人の目線で確認し、改善をしていく、という全く受験勉強とは異なる努力が必要なのです。

面接ノウハウの本を読む暇があれば、とにかく他人に評価してもらいましょう。
学生であれば、自分が知らないうちにどういう印象を相手に与えている人間かが初めてよくわかって、全く新しい世界が広がると思います。

いい印象は、必ず努力でつくれます。
posted by career2.0 at 02:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 就職・転職一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月22日

都市伝説は不安を表す

毎年の風物詩といってしまえばそれまでなのですが、就職活動の学生のあいだで、
まことしやかに語られる噂があります。
都市伝説といっていいでしょう。


「説明会の案内に、"服装は自由"って書いているけど、実はそれどおりに私服で行った人は落とされる」

「●●業界は○色のスーツはダメ」

「面接で出されたお茶を飲むと、"失礼なやつ"として評価が下がる」

「学歴不問と書いている会社は、実は学歴を調べている。結局学歴重視だ」


よく聞く噂ですし、そのほかにも、たくさんこの手の噂があります。
残念ですが、どれも私の経験上、あり得ないことです

もし、「"私服でOK"と書いていて、実はスーツでなければ落とす」、ということが本当なら、
その会社は嘘をついているということですよね?

そんな嘘を会社の人事部が考えて決定するなんてことは、まずあり得ません。
発覚して訴えられたらどうするんでしょう?

だいいち、会社としても、忙しい時期にそんなことをチェックする手間はかけられないですし、
会社が出したメッセージをまじめに受け取って、私服で来る学生を落としても、何も得しないのです


多くの学生さんは、"私服OK"の説明会でも、スーツで来られます。
10年前であれば、ほぼ全員がスーツでしたが、最近はカジュアルの方も増えています。
クールビズなどの影響もあると思います。

学生さんが不安になるのは、よくわかります。
「"私服OK"と書かれてあっても、スーツでいくのが社会人の常識なのか」、と考える人も多いでしょう。

もし不安であれば、スーツで行けばいいと思います。不安なまま就職活動しても、いい結果は得られませんから。

ただ、そういう噂に振り回されることは、危険だと知ってほしいのです。


特に、就職活動においては「自称、会社通の学生」というのが出てきて、
「あの会社は実はこうだ」とか「あの会社ではここを見ている」とか語りたがる学生が現れるものです。

そういう人に限って、「実はスーツでいかないとダメ」といったことを本気で語っています。



おそらく不安なのでしょう。

"私服OK"が何を意味しているか、また、スーツで参加した自分が正しいのか、わからなくて不安になり、
精神安定剤として、そのような噂が自然発生的に出てくるのだと思います。

多くの都市伝説は、みんなが心のどこかで「そうあってほしい」と求めているからこそ流行するものです

他の2つも同様です。

出したお茶は飲んでください。
ビジネスの世界で、それを失礼と思う人はいません。
私も、お客様の会社で、お茶を出されれば、飲みます。
水分をとったほうが話しやすいからです。

また、「学歴不問」と書いて、学歴重視をする意味はなんですか?

世の中には学歴重視の企業はもちろんあります。
大手金融機関、商社、官公庁など、やはり内定者は圧倒的に有名大学の方が多いです。
そういう会社は、最初から大々的に「学歴不問」とは言いません。
学歴も評価基準の(重要な)一つとして含まれています。

一方で、「学歴不問」と明確に宣言しているのは、会社の意思です。
ほんとうに優れた人材を採りたいのです。

そこであえて学歴を重視する必然性がありません。
そんな姑息な嘘をついても、得をしないのです。


学歴不問、と書けば、いろんな大学の多くの学生がエントリーするでしょう。
学歴を重視しているなら、結局、学歴が低い人を落とすわけなので、エントリーが増えるだけ手間が増えて、何もいいことがありません。

加えて、とくべつ企業イメージがよくなるわけでもありません。
採用情報は学生しか見ていません。顧客向けにPRを充実させたほうがよほど効果があります。

「学歴不問と言っている会社も、実は学歴で採用している」といった噂は、
悲しいかな、一流、有名大学で飛び交っています。

それも、不安だからだと思います。

一流大学の学生にとって、本当にポテンシャルだけで勝負するのは、恐怖だと思います。
そもそも、一流大学にいる理由は、受験勉強ができた、ということだけです。もちろんその経験は、仕事にも役に立ちます。
しかし入学したあと、たいていは一生懸命勉強したり、就職活動に備えてきたわけでもありません。

大学入試とは異なる基準で選ばれた場合、自分が選ばれないという不安があります。
そんな不安が、「実はあの会社は学歴を見ている」という噂を生んでいるのだと思います。
心のどこかでは、学歴を重視してほしい、という期待があるのだと思います。


最後に、

「採用の裏事情は、実は〜」という、就職活動中に広がる噂は、ほとんど根拠がありません。
情報が不足している中で、そういう情報を信じてしまう不安な気持ちはよくわかります。

説明してきたように、そういう噂を語る人の、内なる不安もよくわかります。


ただ、信じてほしいのは、企業は皆さんが噂されるほど、嘘つきではないということです

嘘をつくメリットがありませんし、
むしろ、企業からのメッセージをもっと素直に受け止めてほしいとさえ思っています。

企業が競争に勝って成長していくために、いい人材を確保するのは、本当に重要なことなのです。
適当に人を採用して企業が生き残れるほど甘い時代ではないのです。

「優秀な人材がほしい」、ただそれだけなのです。
切実です。

そこで言う優秀さは、説明会の服装や、面接のときの髪型や、敬語の上手さや、スピード写真と写真屋の写真の違いなどには、ほとんど現れません。

会社としても、そんな優秀さと関係ない「瑣末な」ことの評価で、エネルギーを使いたくないのです。

ほとんど実力勝負です。
ほんとうの実力を、本気で見ようとしています。


もちろん縁故入社や青田買いなど、ないとは言いません。
でも、そこに関係ないのであれば、それを意識していても、仕方がないんじゃないでしょうか?

大切なことは、変な噂に惑わされず、瑣末な礼儀作法にエネルギーを注ぐのでもなく、
(最低限のマナーは知っておく必要がありますが、あくまで最低限で十分です)、
企業への、仕事への情熱と、あなたの魅力を、どう相手にぶつけるか、誠心誠意伝えるか、真剣に考えてください。
最終的には、そこにしか答えがないのだと思います
posted by career2.0 at 04:11| Comment(0) | TrackBack(3) | 就職活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月14日

役員の肩書きについて

たいへんご無沙汰しておりました。今日は会社の役職について、整理します。

時々、取締役と執行役員と専務は誰が一番偉いのですか?」というような質問を頂きます。いずれも「役員」と呼ばれる人たちの肩書きですが、どういう序列なのか、わかりませんよね。

たしかに色々な役員の肩書きがあり、それも会社ごとに微妙に違います。特に就職活動中の学生さんにとっては、すっきり理解するのは難しいでしょう。そこで、会社の役員の役職・肩書きについて、もう一度整理したいと思います。

役員の役職名は、原則的には、「役職×肩書き」の組み合わせになっています。

【1.法律で定めなければいけない会社の役職】
 ・代表取締役
 ・取締役
 ・監査役
【2.会社で自由に決めてよい肩書き】
会長、社長、副社長、専務、常務、相談役、名誉会長、顧問、、、

実際は、「1+2」つまり「1で決められた役職者に、2の肩書きを追加する」のが、通常の組み合わせです。

例えば、
「代表取締役社長」
「取締役副社長」
「専務取締役」
という役職は、上記の1と2の組み合わせですね。

もうすこし詳しく説明します。


1.法律に従ってつけられる役職

まず、株式会社には、法律に従って、必ず置かなければいけない役職があります。
それが、「取締役」です。この人たちが世間で「役員」と呼ばれる人たちです。

世間で「あの人は○○社の役員だ」と言われている人は、たいてい「取締役」です。(例外もあります。後で説明します)

会社の経営についての大事な意思決定は、取締役の集まる「取締役会」で行います。

取締役の中で一番偉い、会社の代表として責任を負っている人を、「代表取締役」と言います。
代表取締役は1人でなくてもかまいません。2人以上いる会社もあります。

基本的に、会社の「役員」と呼ばれて、会社の「経営陣」とされるのは、「代表取締役」と「取締役」の2種類の人々です。

また、役員の仕事ぶりをチェックする人を「監査役」と言います。
そういう意味では重要な仕事ですが、率直に言って経営の中心、権力を持つ人ではないケースがほとんどです。

「代表取締役」「取締役」「監査役」。
法律では、この3種類の役職については、決めるよう規定されています。
残りの様々な名称は、実は会社が勝手に名づけているだけの肩書きなのです。


2.会社で決める肩書き

社長、副社長、専務、、、、色々な役職がありますね。
それらは、ふつう「取締役」の序列をつけるため、役員の役職に加えて、会社が自由に決めている肩書きです。

だから、つけなくてもいいのです。「社長」のいない会社もあってかまいません。単なる「代表取締役」や「取締役」の人もいます。

一方で、「代表取締役社長」や「常務取締役」といった肩書きがついている人もいます。
(逆に、取締役ではない「社長」「専務」という人も、いていいのです。滅多にいませんが)

大きな会社では、役員の数も多いので、役員の中での役割分担と序列づけのために、肩書きをつけていきます。

以下に、一般的な序列と内容を説明します。繰り返しますが、会社が勝手につける役職なので、以下のような使用方法とは全く違う会社もあります。あくまでよくあるパターンということで、偉い順に書きます。

「会長」
「代表取締役会長」と「取締役会長」の場合がある。
通常、社長を終えて会長になるケースが多い。強い権限を持っている場合と、実際はほとんど社長に任せている場合がある。

「社長」
会社の代表で責任者。だから「代表取締役社長」である場合がほとんど。ただ、たまに「取締役社長」という人もいます。事情により法律上の代表権を与えられていないということです。

「副社長」
社長の次。「取締役副社長」がほとんど。
ときどき「代表取締役副社長」として、「代表取締役社長」と並んで共同で代表をしているケースもあります。

「専務」
副社長の次。副社長がおらず、社長の次の序列で専務がいる会社も多い。たいてい「専務取締役」となっている。

「常務」
専務の次。たいてい「常務取締役」となっている。

以上が、通常の役員についている肩書きです。

そして、肩書きがついていない、単なる「取締役」を「ヒラ取(ひらとり)」と呼びます。これは取締役の世界でのヒラという俗語なのでもちろん面と向かって言ってはいけません。

また、銀行は一般に、社長にあたる肩書きを「頭取」、副社長を「副頭取」と呼びます。

番外:ご隠居

あと、社長や会長が経営の第一線を退いても、取締役でいる場合が多々あります。

その場合、「名誉会長」「相談役」「顧問」「名誉顧問」など、会社ごとに名称をつけています。
取締役を退任して、この肩書きだけをもらっている人もいます。

いずれにせよ、これらの肩書きの人は、かつて経営陣であったが、今は経営の第一線を退いている、という意味に解釈して問題ありません。


番外2.執行役員

最近増えているのが、この「執行役員」です。
これも、会社が自由に定めている肩書きですので、会社ごとにその役割や位置づけは違うでしょう。

昔の日本の大企業は、出世した人をみな取締役にしていたので、取締役の数が数十人と非常に多くなってしまい、意思決定が遅いという弊害がありました。

最近では、本来の役割である「経営の意思決定」を迅速に行うために、取締役の人数を絞りこんで、意思決定を迅速にしようとしています。

その場合、取締役ではないですが、役員待遇の人を「執行役員」と呼ぶ場合があります。

本来の意味では、取締役は経営の意思決定に集中してもらい、一方で、取締役ではない事業の実務を行う責任者のことを「執行役員」と呼びます
執行役員はほとんどの場合取締役ではありません。
取締役の一歩手前にいる人と考えてもらえばいいでしょう。


番外3.米国型の役職

CEO、COOなどの肩書きを目にしたことはありますか?これは米国で主に使われる役職です。

日本の法律ではもちろん定められていないので社長や会長と同じように自由につけてよいの肩書きです。海外展開している企業などは積極的に米国型の役職を肩書きとして使っているケースがあります。

簡単に解説します。

「CEO(Chief Executive Officer)」
最高経営責任者と訳す。企業の最終的な責任者であり代表者。
大企業では会長、それ以外では社長が担っている場合が多い。

「COO(Chief Operating Officer)」
最高執行責任者と訳す。業務執行の責任者であり、CEOを会長が担っている大企業で、社長がCOOである場合が多い。

その他
「CFO」最高財務責任者(Chief Financial Officer)
「CIO」最高情報責任者(Chief Information Officer)
などが日本企業でも時々利用されています。
これら「C●O」は、ある機能の責任者という意味で、自由に使われています。

米国のGoogle社では「CCO」最高文化責任者(Chief Culture Officer)という役職があるそうです。

■まとめ
以上が、一般的な役員(経営陣)の役職・肩書きの考え方です。
イメージだけでもつかめましたか?

基本的には、「代表取締役」と「取締役」に、会社が自由に肩書きをつけくわえている、と理解してください。「代表取締役課長」であっても法律上は全くかまわないということです。

もし「うちの会社はぜんぜん違う肩書きのつけ方をしている」という事例があれば、ぜひお教えください。さらに、最近の大企業の中には、「委員会設置会社」というまた別の統治をしている会社があります。その場合、経営陣の役職・肩書きはまた異なりますので、またの機会に説明します。

また、役員ではなく、社員の役職名について、これは本当に会社ごとに千差万別ですが、またご説明します。
posted by career2.0 at 04:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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